HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 12 Apr 2012 23:21:14 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:米大統領選挙 共和党は再生するか:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

米大統領選挙 共和党は再生するか

 再選に臨むオバマ米大統領の対抗馬は、ロムニー前マサチューセッツ州知事に決定した。秋の本選挙にかけ、ロムニー氏が保守層を取り込んで共和党の再生を実現できるかが焦点となる。

 米保守層の価値観を代表する、との立場から選挙戦を継続してきたサントラム元上院議員が、地元ペンシルベニア州の予備選を前に撤退を表明した。

 ギングリッチ元下院議長、ポール下院議員は選挙戦を継続する意向だが、逆転の可能性はいずれもほぼ消えており、ロムニー氏が共和党指名候補に決定した形だ。

 秋に投票される大統領選挙まで道程は長い。ロムニー氏の当面の課題は、候補指名を受ける夏の共和党大会へ向け、保守派との関係修復と党内融和に移る。

 最大の争点が経済問題である点に変わりはないが、景気が回復の兆しを見せるなか妊娠中絶、医療保険制度、人種問題など、社会的な価値観をめぐる様々(さまざま)な問題が次々浮上している。

 中絶問題では、政治活動を通じ当初、容認の立場を表明していたロムニー氏が、反対に転じた経緯が繰り返し攻撃された。医療保険制度をめぐっても、知事時代に州の皆保険制度を実現させながら、連邦レベルでの皆保険制度に反対している点、整合性のある説明がされているとはいえない。

 フロリダで二月に発生した黒人少年射殺事件は、背景に人種的偏見があったのではないかとされる。人種問題への関与には慎重な姿勢を貫いてきたオバマ氏が少年に同情するコメントを出し、今後争点となる可能性もある。

 共和党最大の悩みは、多様な保守陣営の声を、一つの政治エネルギーに吸収する求心力の不在だ。

 オバマ大統領は、今年の一般教書演説で、社会の公正さ、を強調した。ウォール街占拠運動に象徴される格差への不満を意識したもので、富裕層への増税策を訴えているのも再選戦略の一環だ。

 一方、保守系の茶会運動に支持された候補は、いずれも大衆迎合的な政策が支持を広げられないまま早々に撤退した。ロムニー氏は、茶会を生んだ米国的な個人の自由、競争、愛国主義的心情を吸い上げ、政策としてアピールする難題を抱えたことになる。

 党指導部、保守派の市民組織がロムニー氏支持を表明するなど、一部で修復の動きは始まっているという。党再生の成否はロムニー氏自身の手腕にかかっている。

 

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