HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 12 Apr 2012 21:22:31 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: イラクのフセイン大統領、リビアのカダフィ大佐、カンボジア…:社説・コラム(TOKYO Web)
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 イラクのフセイン大統領、リビアのカダフィ大佐、カンボジアのポル・ポト首相、そして北朝鮮の金正日総書記。共通しているのは自国民を抑圧した独裁者だったことだけではない▼いずれも六十九歳でこの世を去った。戦闘中に殺されたカダフィ大佐。フセイン大統領も捕らえられ死刑になった。偶然の一致だが、死後の影響力には大きな差がある▼この人物は今も国民を支配しているかのようだ。北朝鮮ではきのう、後継者である金正恩氏が朝鮮労働党第一書記に就任。正日氏には「永遠の総書記」という大仰な称号が贈られた。「三代世襲」の方向は不変とみられるが、死してなお重みを増している▼故金日成主席の生誕百周年に合わせて、「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルへの燃料注入も発表された。父の時代に決まった既定路線だったとしても正恩氏は「遺訓統治」を盾に責任逃れはできない▼<売家(うりいえ)と唐様で書く三代目>という江戸川柳は、落ちぶれて家まで手放す三代目の若旦那が手習いした中国風のしゃれた文字で「売家」と書く道楽ぶりをやゆする言葉だ。総書記ではなく第一書記への就任は、若き三代目への不安がのぞいている▼発射が予想されているミサイルは新体制への「祝砲」ではない。国際社会からの一層の孤立を招き、飢えた国民をさらに絶望のふちに追い込む弔砲に聞こえよう。

 

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