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天声人語

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2012年4月12日(木)付

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 〈盗人を捕らえてみれば我が子なり〉が〈切りたくもあり切りたくもなし〉の付句(つけく)なのはよく知られる。古い俳諧集にはさらに〈さやかなる月をかくせる花の枝〉という付句もある。こちらはあまり知られていないが、切るに切れない気持ちはよく分かる▼そんな花の季節、民主党の閣僚経験者ら約40人が夜桜のもと会食したそうだ。消費増税をめぐって野田首相と小沢元代表が対立する中、党内の融和を狙ったらしい。首相にとって小沢さんはさしずめ、命がけの目標を隠す花の枝だろう。切りたくもあり、切りたくもなし▼市井でも、花見のムシロに社長派と専務派が呉越同舟の図はある。場の雰囲気は、東京で見た本紙見出し「民主重鎮 集えど花冷え」で想像がついた。協調への見通しは立ちそうにないらしい▼消費増税法案の成立に命をかける野田さんは、むしろ自民党の谷垣総裁に秋波を送る。自民は協力の前提として小沢さんを「切る」よう求めている。だが枝を切って、枝とともに散る花(議員)が多ければ、民主党は崩れかねない▼法案審議の行方は次の衆院選の日程と密接に絡みあう。そして増税は不人気だ。しかし「再選されることばかり考えていると、再選に値するのが難しくなる」という箴言(しんげん)もある。この局面、与野党を問わず、誰が政治家で誰が政治屋かに敏感でいたい▼きのうの党首討論はまた「入り口論」を出なかった。理は我に、非は彼に、の難じ合いではない、賢く歩み寄る度量が、政治にほしい。

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