HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50614 Content-Type: text/html ETag: "100300-1781-4bcc9171f3c62" Expires: Tue, 03 Apr 2012 23:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 03 Apr 2012 23:21:45 GMT Connection: close ミャンマー補選 民主化路線に弾みをつけたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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ミャンマー補選 民主化路線に弾みをつけたい(4月4日付・読売社説)

 ミャンマーの軍事政権と対立し、約15年間も自宅軟禁を強いられた民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんが、初めて国政に参加することになった。

 民政移管から1年がたったミャンマーで行われた議会の補欠選挙で、野党・国民民主連盟(NLD)が圧勝した。党首のスー・チーさんも下院議員に当選し、「この勝利が新たな時代の幕開けになることを願っている」と語った。

 ミャンマー政治は大きな転機を迎えたと言える。テイン・セイン大統領には、民主化路線を加速してもらいたい。

 補選は、2010年総選挙の当選者のうち閣僚就任に伴う辞職などで生じた欠員を補うものだ。NLDは総選挙を拒否して政党資格を失ったが、政権の政党再登録承認を受けて補選に参加した。

 「自由で公正な選挙」を実現することが、民主化の定着度を占う試金石だった。国際的な選挙監視団を受け入れ、一部で不正も伝えられたものの、選挙が混乱なく終了したことは評価できる。

 補選でNLDが勝利したとはいえ、議席は上下両院の1割に満たない。軍政の翼賛組織を継承した与党・連邦団結発展党や軍人枠議員は全体の8割に上る。

 それでも、議会の一角をNLDが占めたことは、民主化の促進に向けた重要な一歩となる。

 NLDは15年の総選挙に向けて、少数民族との和解や、軍人枠撤廃など憲法改正を求めて行く考えだ。政権が軍内の守旧派の動向をにらみながら、どこまで民主化に応じるかが焦点となる。

 NLDも、経済改革などを巡る提言能力が問われよう。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)の最貧国ミャンマーにとって、急務は経済再建だ。14年にはASEAN議長国を務める。民主化進展をテコに、国際社会との関係改善をさらに進める必要がある。

 補選の公正な実施を制裁解除の条件としていた欧州連合(EU)は、今月下旬の外相理事会で解除の是非を判断する。米国も、段階的な制裁緩和へ動くだろう。

 日本政府は、欧米に先駆けて支援に乗り出した。今月下旬には大統領を招き、野田首相は、大型インフラ支援につながる円借款の供与再開を表明する方針だ。

 タイやベトナムに続く新たな投資先として、日本企業はミャンマー・ビジネスの将来性に期待する。政府は、投資環境改善につながるような協力を進め、改革を一層後押しすべきである。

2012年4月4日01時48分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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