HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 04 Apr 2012 01:21:14 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:沖縄知事意見書 それでも県内移設とは:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

沖縄知事意見書 それでも県内移設とは

 沖縄県の仲井真弘多知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に再び「ノー」を突き付けた。国外・県外移設に転換する好機を逸し続け、県内に固執する政府の態度は理解できない。

 仲井真氏は三月二十七日、普天間飛行場(宜野湾市)の代替施設建設のため、辺野古沖を埋め立てる事業分の環境影響評価書に対して「生活や自然環境の保全は不可能」とする意見書を提出した。

 「環境保全上、特段の支障は生じない」とする政府の評価書に対し、県側が指摘した問題点は四百四件。二月にも「環境保全上、重大な問題がある」とした飛行場建設事業分の意見書を提出したが、その時の二倍以上だ。

 その指摘はサンゴやジュゴンに与える影響をめぐる評価書の不備など多岐にわたる。約百六十ヘクタールもの海洋埋め立てはそれだけ環境への負荷が大きいのだろう。

 知事意見の提出後、沖縄を訪問した田中直紀防衛相は仲井真氏との会談で、環境影響評価書を手直しする「補正」について「丁寧に作業をしていきたい」と述べた。

 県内移設は困難だと県知事が二度にわたって意見書を提出したにもかかわらず、政府は計画を撤回せず、評価書補正後に埋め立て申請する方針を変えていない。

 日米両政府は二月、空軍嘉手納基地(嘉手納町など)より南にある那覇軍港や牧港補給地区(浦添市)など五つの米軍施設・区域を、普天間飛行場とは切り離して返還を進めることで合意した。

 こうした基地負担軽減策を示すことで、辺野古への県内移設も沖縄県側に受け入れてもらおうという腹づもりなのだろう。

 でも、ちょっと待ってほしい。

 那覇軍港、牧港補給地区などの返還は普天間飛行場と同様、一九九六年に沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)ですでに日米両政府が合意しているものだ。

 返還されれば沖縄の基地負担軽減にはなるが、これらはもともと普天間飛行場返還の状況に関係なく、もっと早く返還されるべきだった。

 これらが返還に動きだしたからといって、辺野古移設受け入れの環境が整うわけではない。

 むしろ政府は、二回にわたって辺野古移設を「事実上不可能」とした仲井真氏の知事意見を真摯(しんし)に受け止めなければならない。

 これを機に、普天間飛行場の継続使用でも県内移設でもない「第三の道」ともいうべき国外・県外移設を模索すべきである。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo