HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50240 Content-Type: text/html ETag: "ad72f-1785-4bcb474b8cc44" Expires: Tue, 03 Apr 2012 01:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 03 Apr 2012 01:21:45 GMT Connection: close 日銀短観足踏み 復興と成長の後押しが必要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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日銀短観足踏み 復興と成長の後押しが必要だ(4月3日付・読売社説)

 景気にようやく明るい兆しが出てきたのに、企業は不安をまだ払拭できないようだ。

 日銀が2日に発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の業況判断指数が、前回の12月調査と同じマイナス4だった。プラス5に上昇した非製造業も改善幅は1ポイントにとどまった。

 中小企業は製造業、非製造業とも2ケタのマイナスで、3か月後はさらに低下が見込まれる。

 歴史的な円高が一服し、東京市場の平均株価は1万円に乗せた。輸出も復調し、生産は東日本大震災前の水準に戻りつつある。

 それでも企業心理が上向かないのは、内外の経済に懸念材料が多いからだろう。

 欧州債務危機などの行方は依然として不透明で、企業は円高再燃への警戒を解いていない。

 円相場はここ1か月、1ドル=80〜84円台で推移したが、企業は今年度の為替レートを、もっと円高の78円台と想定している。

 政府・日銀が、為替介入や追加金融緩和によって、円高を阻止する構えを崩さないことが、不安心理を和らげるために重要だ。

 今回の短観は、今年度の設備投資計画に関する調査結果にも、企業の「弱気」が表れた。前年度比の伸びは、大企業全体でゼロとなり、増産や事業拡大の意欲が乏しいことを裏付けている。

 景気の本格回復には、民間活力の向上が欠かせない。政府・日銀は、研究開発の促進策や金融支援を強化して、企業の成長戦略を後押ししてもらいたい。

 原油価格の高騰も難題である。原油高は原材料価格や物流費などを押し上げる。ところが、日本経済は需要不足によるデフレ状態にあり、コストの上昇を販売価格に転嫁することは難しい。

 企業の利益が減って雇用と内需が縮小する……。原油高が招く悪循環が現実味を増してきた。

 原子力発電所の停止による電力不足も、生産の抑制や火力発電燃料の輸入増加を通じて景気回復に水を差す。政府は責任をもって原発の安全を確認し、再稼働を実現させなければならない。

 最近になって、復興需要が動き始めたのは心強い。18兆円の復興予算を効果的に使い、景気をしっかり下支えしたい。

 企業も事業の選択と集中を徹底し、被災地に資金と技術を積極的に投入してほしい。環境関連や情報通信など成長産業の育成につながれば、復興と企業活性化の相乗効果が期待できよう。

2012年4月3日01時12分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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