HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48781 Content-Type: text/html ETag: "ad799-13a8-4bcaaeb2438c6" Expires: Mon, 02 Apr 2012 21:21:51 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 02 Apr 2012 21:21:51 GMT Connection: close 4月2日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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4月2日付 よみうり寸評

 〈鬼の○○、閻魔(えんま)の××〉――かつて東京地検特捜部にはそんな異名の厳しく怖い検事たちがいた◆「けしからん罪という罪はない」「けしからんでは起訴できない」「人に聞くより物を見よ」「証拠、証拠、すべては証拠」――鬼も閻魔もそう言っていた◆耳にたこができるほど聞かされた。戦前の「物を見るより人に聞け」という自白偏重の捜査の反省からということだった。胸には(あか)(きょく)(じつ)に白い菊の花弁と金色の菊の葉を配した記章。霜と強い日差しにも見える◆それが厳正を求められる検事の理想像と重なって〈秋霜烈日〉のバッジと言う。鬼と閻魔の時代が随分遠くなった。大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽事件で思う◆郵便不正事件の元主任検事は、物証を大切にするどころか、何とそのデータを改ざん。上司の元特捜部長と副部長はそのもみ消しをはかったと大阪地裁が認定した◆判決は「組織の病弊、当時の特捜部の体質が生んだ犯行」とも指摘した。無法な検察は昔の鬼や閻魔とは別の意味ではるかに怖い。

2012年4月2日13時49分  読売新聞)

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