HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 03 Apr 2012 00:22:23 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 地球を直径百センチの球に縮めてみると、太陽は東京ドームほ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 地球を直径百センチの球に縮めてみると、太陽は東京ドームほどの大きさだ。一〇〇ワット電球が百四十億個分の明るさで、十二キロ先に輝いている。エベレストは〇・七ミリ。最も深い海溝は〇・九ミリ。人間は十万倍の顕微鏡でやっと見られる大きさだと、絵本『地球がもし100cmの球だったら』(文・永井智哉、絵・木野鳥乎)が教えてくれた▼こんなちっぽけな人間が、自然の力を制御しようと英知を積み重ねてきたのが科学の歴史だ。その限界を突きつけたのが昨年の大震災だったが、新たに公表されたデータは衝撃的だった▼内閣府の有識者会議の推計によると、駿河湾から四国沖に延びる海溝「南海トラフ」で最大級の地震が発生した場合、六都県で津波が二十メートルを超える危険があるという▼浜岡原発のある静岡県御前崎市でも、建設中の防波壁を上回る二十一メートルの津波高が予想されている。「想定」が出された以上、浜岡原発の再稼働は事実上、不可能になったといえるだろう▼最新の首都直下地震の震度予測で、東京二十三区や川崎市は震度7の揺れに襲われる可能性も明らかになった。危険と隣り合わせの現実を思い知らされた▼昨年、マグニチュード(M)5以上の地震は全国で例年の五倍程度の七百回以上発生した。地殻変動が活発化する地震列島で、五十基を超える原発と共存できると本気で考えるのだろうか。

 

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