HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50732 Content-Type: text/html ETag: "a6756-1793-4bca0ca7833ad" Expires: Mon, 02 Apr 2012 00:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 02 Apr 2012 00:21:13 GMT Connection: close 関空・伊丹 一体運営で空港の魅力高めよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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関空・伊丹 一体運営で空港の魅力高めよ(4月2日付・読売社説)

 複数の大型空港を一体運営する国内初の取り組みだ。

 経営統合の行方は、慢性的な赤字に悩む地方空港の将来のあり方にも影響を与えよう。

 新関西国際空港会社が1日、国の全額出資で発足した。

 巨額の負債を抱える現在の関空会社は、空港運営から切り離され、空港用地を保有・管理する会社として、負債の大半を引き継ぐ。

 新関空会社は、7月には関空と大阪(伊丹)空港の一体運営を開始する。高収益をあげている伊丹空港を活用することで、関空の再生を図る狙いがある。

 大阪湾の沖合を埋め立てた関空の債務は1兆円を超し、毎年の利払いが約200億円に上る。

 国土交通省は、新会社で経営を効率化した後、2014年度をメドに2空港の運営権を期限付きで民間に売却し、債務の大幅な圧縮を図る方針である。

 妥当な考え方だろう。

 経営効率化への最大の難題は、関空と伊丹空港の役割分担だ。

 関空の建設はそもそも伊丹廃港が前提だった。だが伊丹空港は存続し、神戸空港も造られた。半径20キロ・メートル圏内に3空港がひしめき、需要を奪い合っている。

 伊丹空港を巡っては関西の自治体は、「積極活用」か「将来は廃港」かで、意見が割れている。

 交通の便に優れ、収益力が高い伊丹空港は当面、有効活用するのが現実的だろう。関空とのすみ分けを徹底すべきだ。

 政府は、6月末までに、関空と伊丹空港の活用策を定めた基本方針をまとめる。一体運営のメリットをどう生かすか。地元自治体とも連携して、需要を底上げする具体策を練り上げる必要がある。

 稼げる空港にするには、利便性と魅力を高める工夫が要る。

 関空は、格安航空会社(LCC)の便数が全国最多で、専用の旅客ターミナルを建設中だ。24時間運用という利点を最大限に生かして、LCCの拠点空港化のみならず、航空貨物便のさらなる誘致を進めるべきだろう。

 一方、弱点は大阪中心部から遠いことである。中心部からの所要時間を短縮する鉄道新線「なにわ筋線」の検討も進んでいる。利便性向上の選択肢の一つだ。

 空港ビルの関連施設も、集客力を高めたい。収益が増えれば、それを原資に着陸料の大胆な引き下げも可能になる。

 首都圏では、羽田空港と成田空港が共に競争力を強化している。関西2空港も、互いに特色を発揮していかなければならない。

2012年4月2日01時42分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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