HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 30 Mar 2012 21:21:17 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: お湯の温度を一気に下げる差し水からの連想だろうか。<水を…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 お湯の温度を一気に下げる差し水からの連想だろうか。<水をさす>とは、うまく進んでいるものを脇から邪魔することをいう▼一方、水でなく<油をさす>といえば、ほぼ正反対の意味になる。機械に油を注げば滑らかに動く。広辞苑の解説を引けば、転じて「物質的・精神的に応援して元気を回復させる」ことだ▼さて最近、国内のガソリン価格が高騰し、全国平均小売価格はレギュラーで一リットル百六十円に迫っている。高値が続けば消費全般に影響が出るのは必定だ。輸出産業の多い日本経済には最近の円安傾向は追い風で株価も上昇中。やっと景気に明るさが見えてきた矢先に<油が水をさす>…。二つの慣用句がごっちゃになったような事態ともいえる▼そして、価格高騰の一因は、その円安のせいで石油の輸入価格が上がったためというのだからやっかいだ。円安は輸出産業を助けて景気にプラスだが、石油高を招いて景気にマイナス…。どうも将棋の「王手飛車」にでもかけられたような▼もとより、根本には世界的な原油高があり、世界経済の先行きにも影を投げかけている。核開発にからむ産油国イランへの経済制裁の影響が大だが、各国の金融緩和でだぶついた投機マネーの流入も高騰を加速させていると聞く▼制裁というなら、毎度毎度、実体経済に迷惑をかける後者にも何か“制裁”が必要な気がする。

 

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