HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 28 Mar 2012 01:21:44 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:官房機密費 全廃含め抜本見直しを:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

官房機密費 全廃含め抜本見直しを

 大阪地裁が内閣官房報償費(官房機密費)の一部開示を求める判決を出した。使途公開に向けて一歩前進だが、そもそも本当に必要な金なのか。この際、全廃を含めて抜本的に見直す必要がある。

 官房機密費をめぐる深い闇に光を当てる契機となるのだろうか。

 大阪地裁は市民団体の主張の一部を認め、国が非開示とした機密費関係書類のうち全体の支出入額などを記録した「政策推進費受払簿」、支出目的を三つに大別した「報償費支払明細書」など「具体的な使い道や相手方が特定できない書類」は開示するよう求めた。

 「国の事務、事業を円滑、効果的に遂行するための経費」とされる官房機密費は二〇〇二年度以降、毎年約十四億六千万円が計上され、うち官房長官所管分が約十二億三千万円、残る約二億三千万円が内閣情報調査室所管分だ。

 官房長官の判断で領収書なしで自由に使える金とされ、使途は公開されていない。もちろん、国民の命と暮らしを守るための政策の実現に使われる分もあるだろう。

 しかし、これまで明るみに出た使途は、海外出張する政治家への餞別(せんべつ)や、与野党議員に対する背広代やパーティー券購入などの国会対策費、評論家への盆暮れの付け届けなどあきれるものばかりだ。

 麻生自民党内閣は〇九年の衆院選惨敗直後に通常の二・五倍に当たる二億五千万円を引き出した。官邸を去る直前の内閣になぜ国の事業を円滑に遂行するための経費が必要なのか、理解に苦しむ。

 こうした使い方をされるのも、支出先や使途を追及されないという緊張感の欠如からだろう。

 藤村修官房長官は地裁判決を受けて、機密費の使途は一定期間後に公開すべきだとの考えを示したが、昨年九月の就任直後にも同趣旨のことを発言している。いつになったら実行するのか。

 そもそも民主党は野党当時の〇一年、機密性の高いものは二十五年、それ以外は十年後に使途公開を義務付ける法案を国会に提出した。〇九年衆院選マニフェストでは「税金の使い道をすべて明らかにして国民のチェックを受ける」と国民に約束している。与党になった途端、使途公開をためらうなら政権交代の意味はない。

 この際、官房機密費は全廃し、必要分は費目を明らかにして予算要求したらどうか。使い道の分からない金が計上されるうちは、消費税率引き上げへの理解などとても得られない。

 

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