HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 27 Mar 2012 22:21:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:北朝鮮「衛星」 各国首脳の不信は強い:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

北朝鮮「衛星」 各国首脳の不信は強い

 ソウルに集まった各国首脳がこぞって、北朝鮮の「衛星」発射予告に対し自制を求めた。事実上のミサイル発射であり、強行すれば周辺国は新指導者の金正恩氏を「危険な人物」とみなすだろう。

 韓国の李明博大統領は核安保サミットのために訪韓した主要国の首脳と会談し、協力してミサイル発射を阻止するよう訴えた。

 とりわけ六カ国協議メンバーのうち五カ国が程度の差こそあれ北朝鮮批判を表明して、事態の深刻さを示した。

 オバマ米大統領は米韓首脳会談後の記者会見で北朝鮮に対して「(発射は)周辺国との関係を悪化させ、将来の交渉の可能性を弱める」と警告した。米朝間で合意した栄養補助食品の支援も見送るという意思表示だ。オバマ氏は二十五日、就任後初めて南北休戦ライン近くの最前線を視察した。

 中国も従来より態度を硬化させている。胡錦濤主席は中韓首脳会談で、発射予告に深い憂慮を示し中止を説得し続けると述べた。韓国大統領府の説明によると、胡主席は北朝鮮に対し「民生発展に集中すべきだ」と踏み込んだ発言をしたという。

 中国は金正恩体制の「後見人」ともいえるが、強硬姿勢はけっして国の安定にはつながらないと圧力をかける役目を望みたい。

 ロシアのメドベージェフ大統領も発射自制を強く求めた。拡大しつつある朝ロ経済協力もこのままだとブレーキがかかるだろう。

 包囲網が張られても、なぜ北朝鮮は強硬なのか。

 四月には国家行事が続き、金正恩氏が労働党総書記など最高指導者の職位に就く可能性が高い。これで父子三代の権力世襲が完成する。「人工衛星」打ち上げによって国威を発揚するとともに、正恩氏が強い指導者だと内外に誇示する狙いがあるからだ。ミサイルの射程が米本土に近づけば、大きな脅威になる。米国や韓国との関係はこれで悪化するが、やがて修正できると踏んでいるのだろう。

 しかし、まだ二十代の正恩氏には父の故金正日総書記ほどの辣腕(らつわん)さはない。「瀬戸際外交」を引き継いだとしても、今後は期待通りに周辺国が譲歩することはない、と考えるべきだ。

 野田佳彦首相は二十六日夜にソウル入りするため各国首脳との個別会談の予定はないが、国会委員会答弁などを通じて北朝鮮に自制を求め、米韓とも緊密な協議を続けている。情報収集に万全を期す必要がある。

 

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