HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50899 Content-Type: text/html ETag: "a5cd5-17d6-4bc27efbb0898" Expires: Tue, 27 Mar 2012 01:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 27 Mar 2012 01:21:13 GMT Connection: close 核サミット開幕 北朝鮮「衛星」阻止へ包囲網を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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核サミット開幕 北朝鮮「衛星」阻止へ包囲網を(3月27日付・読売社説)

 核テロの防止を目指して、第2回核安全サミットが、韓国の首都ソウルで始まった。

 世界53か国の首脳や閣僚、国連など4国際機関の代表が一堂に集うサミットでは、世界の安全を脅かす危険な芽を丹念につみ取る具体的な取り組みが問われている。

 「人工衛星打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイル発射を予告した核兵器開発国・北朝鮮に、発射阻止を迫ることは、サミットに参加した首脳たちの責務だ。

 オバマ米大統領が李明博・韓国大統領と会談し、発射予告の即時撤回と国際規範の順守を、北朝鮮に求めたのは当然である。

 韓国大統領府によれば、中国の胡錦濤国家主席も、李大統領との会談で、北朝鮮に「発射を放棄し、民生の発展に集中するよう」求めている、と述べたという。

 今回の発射は、北朝鮮に「弾道ミサイル技術を使用した発射」を禁じた国連安全保障理事会決議に明らかに違反する。「長距離ミサイル発射の一時停止」を明記した先月の米朝合意にも反する。

 「衛星打ち上げは、長距離ミサイル発射に含まれない」と北朝鮮は詭弁(きべん)を弄しているが、ここで国際社会が反論しなければ、「衛星」発射にかこつけたミサイル開発を容認するに等しい。射程延伸ばかりか精度の向上につながろう。

 すでに中距離ミサイル・ノドンの射程内にある日本にとって、脅威は一層深刻になる。

 野田首相は、危機感を持って、北朝鮮の「衛星」ミサイル発射阻止に努めなければならない。

 首相は参院予算委員会で、サミット参加国首脳たちと問題意識を共有し、北朝鮮に発射自制を「一緒に働きかけるような試みも行いたい」と述べた。ぜひ、実現に結びつけてもらいたい。

 だが、活発な2国間外交を展開している米中などの首脳と比べ、昨夜になって韓国入りした首相の存在感はあまりにも薄い。

 参院予算委員会に首相の出席が求められたとは言え、国会が首相外交を損なわせることがあってはなるまい。参院本会議は、北朝鮮に発射自制を求める決議を全会一致で採択した。それを国際連携に広げていくには外交が要る。

 北朝鮮は「打ち上げ準備作業」に入ったと発表し、予定通り4月中旬に発射を強行する構えだ。

 日本の南西諸島の上空を通過する可能性がある。日本の領域内に本体や部品が落下する万一の事態に備え、政府は速やかに自衛隊に破壊措置命令を発令すべきだ。

2012年3月27日01時32分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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