HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50710 Content-Type: text/html ETag: "a5cd7-1785-4bc27efbe1875" Expires: Tue, 27 Mar 2012 00:21:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 27 Mar 2012 00:21:11 GMT Connection: close 東電全原発停止 信頼回復にタガを締め直せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

東電全原発停止 信頼回復にタガを締め直せ(3月27日付・読売社説)

 東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機(新潟県)が定期検査に入り、東電の原発すべてが運転を停止した。

 検査を終えた原発を再稼働できないまま猛暑の夏を迎えると、東電管内は最大13%の電力不足に陥る見込みだ。

 発電機の増設など緊急対策も追いつかず、企業と家庭は大幅な節電を求められるだろう。

 原発の代わりに運転する火力発電所の燃料費は、東電だけで年8000億円増え、その影響で電気料金の値上げも避けがたい。

 突然の停電など不測の事態を防ぐため、安全を確認できた原発の再稼働が必要だ。東電は再稼働や値上げ、節電について、誠実に理解を求めなければならない。

 ところが、肝心の東電が不手際を連発し、国民の不評をかっているのは問題である。

 東電が、柏崎刈羽原発で行ったストレステスト(耐性検査)の報告書は、計239か所もミスがあり、枝野経済産業相を「けた違いにひどい」とあきれさせた。

 緊張感を欠いていないか。安全操業の能力に疑念が生じ、再稼働への地元の理解も得にくくなる。東電は、再発防止を徹底することが不可欠だ。

 値上げに関する不誠実な対応も東電への不信を増幅させた。

 東電は4月1日から、工場やオフィスなど大口の電気料金について平均17%の値上げを開始する。本来、1年ごとの契約更新日までは安い旧料金が適用される。

 しかし東電は、「現在の契約期間にかかわらず、4月1日以降は新しい電気料金」という通知を契約者に送り、値上げを先送りできる選択肢を明示しなかった。

 これを経産相が今月21日に強く批判するや、東電の西沢俊夫社長は「言葉足らずだった」と陳謝した。だが、契約者の反発や苦情は今月上旬から東電に寄せられていた。対応の遅れは否めない。

 一般の民間企業とは違う、独占企業の「おごり」が垣間見える。東電は猛省すべきだ。

 東電と原子力損害賠償支援機構は、今後10年の経営戦略である総合特別事業計画の策定に向け、最終調整を進めている。

 事故収束と損害賠償、電力供給の責務を果たすため、東電の収益強化や組織改革の方策を示す。

 原発の再稼働と家庭向けを含めた料金値上げが、その前提として盛り込まれる。事業計画も、国民の理解が得られないと「絵に描いたモチ」となろう。東電はそのことを肝に銘じるべきである。

2012年3月27日01時32分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です