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3月27日付 編集手帳

 深海魚の体は大きな圧力に耐えられるように出来ている。いきなり海面に引き上げられると、水圧から解放され、悲惨なことになるらしい。内臓が口から出たり、眼球が飛び出したりする例もあると、お天気博士の倉嶋厚さんが『季節おもしろ事典』(東京堂出版)に書いている◆経済発展も深海からの浮上があまりに急すぎると、人々の心からは醜いものが飛び出すのか。昨今、胸の悪くなるような中国発のニュースが後を絶たない◆安徽省で高校3年の少女が暴漢に襲われた。警官は少女の生存を確認しながら、「知的障害者らしい」と故意に遺棄したという◆昨年10月には、広東省でひき逃げされた女児(2)が18人もの通行人に黙殺され、路上に放置されている。その翌月には甘粛省で、定員9人のところへ64人を詰め込んだ幼稚園送迎バスが交通事故に遭い、園児18人が死亡している。モラルの荒廃は、経済の急成長に伴う「拝金主義」の横行と無関係ではなかろう◆隣人として、深海魚の惨たる姿を繰り返し見せられるのは気持ちのいいものではない。何よりも、粗末に扱われるいたいけな命が不憫(ふびん)である。

2012年3月27日01時32分  読売新聞)

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