HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48805 Content-Type: text/html ETag: "ad6e9-13c2-4bbaf17c1aa5c" Expires: Tue, 20 Mar 2012 22:22:20 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 20 Mar 2012 22:22:20 GMT Connection: close 3月21日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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3月21日付 編集手帳

 為政者のお手本になるありがたい歌も“馬の耳に念仏”かと思えば、引く張り合いもない。〈たかき()にのぼりてみれば煙立つ たみのかまどはにぎはひにけり〉(「新古今和歌集」仁徳天皇)◆ロケットだかミサイルだかが打ち上がるのをどこの高殿(たかき屋)で眺めるつもりか知らないが、眺めるべきは民の(かまど)だろう。たなびく炊煙はあるのか? 外国に食糧支援を仰ぐほど民を飢えさせておいて、科学技術を誇示する了見が分からない◆北朝鮮が4月12日から16日の間に地球観測衛星を打ち上げるという。ミサイルの性能を向上させる物騒な狙いが秘められているのは疑いもない◆「梅若忌(うめわかき)」(4月15日)もその頃だな…と、ふと思う。人買いに誘拐された子供・梅若丸と、わが子の行方を尋ねて諸国を巡り歩く母親の哀切な物語は、謡曲『隅田川』として語り継がれた。誰の目にも、北朝鮮の国家犯罪が二重写しになるだろう◆世襲の若き3代目が手っ取り早く手柄を立てて国際社会の称賛を得たいのならば、ミサイル技術を誇示する必要などさらさらない。拉致被害者の全員を即刻、解放することである。

2012年3月21日01時22分  読売新聞)

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