HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49284 Content-Type: text/html ETag: "f59f0-1401-4bb730226af55" Expires: Sun, 18 Mar 2012 00:22:22 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 18 Mar 2012 00:22:22 GMT Connection: close 3月18日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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3月18日付 編集手帳

 漢字というのは面白いもので、字体を少しいじると、意味を一層浮かび上がらせることができる。たとえば「善」の下部の口を朗らかな形で書けばそのまま笑顔になり、「悪」の亜を冷たい目のように書けば(よこしま)な顔になる◆表情ある善と悪の字を描いた丸いお面をつけて軽妙に踊るのが、江戸期から伝わる歌舞伎舞踊の「三社祭」だ。2人の漁師にそれぞれ善悪の玉が乗り移ったという話である。善玉、悪玉の言葉もこれから広まったらしい◆東京・浅草神社の三社祭は今年が700年祭。それを記念し、5月の例大祭を前にきょう18日、神輿(みこし)を舟で運ぶ「舟渡御(ふなとぎょ)」が54年ぶりに再現される。昨年は東日本大震災に配慮して祭り全体が中止となったが、今年は舟渡御の復活で早くも熱い◆歌舞伎の方の三社祭は、人間誰しもある心の葛藤を暗示する。被災地のために何かをしたい、でも瓦礫(がれき)の受け入れは他に頼みたい――日本中の葛藤は、だが、何とか望ましい方向に落ち着きそうだ◆祭りの本番、初夏を告げる神輿の担ぎ出しは5月20日。直後に東京スカイツリーも開業する。2年分どころでなく盛り上がるだろう。

2012年3月18日01時40分  読売新聞)

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