HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50400 Content-Type: text/html ETag: "a75fa-17ea-4bb5e9be5186d" Expires: Sat, 17 Mar 2012 02:21:15 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 17 Mar 2012 02:21:15 GMT Connection: close 北朝鮮発射予告 「衛星」でも看過はできない : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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北朝鮮発射予告 「衛星」でも看過はできない(3月17日付・読売社説)

 北朝鮮が、4月12日から16日の間に地球観測衛星「光明星3号」を打ち上げると発表した。

 約2週間前、「核実験と長距離ミサイルの発射、寧辺でのウラン濃縮活動の一時停止」で、米国と合意したと明らかにしたばかりだ。

 その舌の根も乾かぬうちの衛星発射予告である。米朝合意の詰めの甘さを突いた、と言える。

 北朝鮮は、発射するのはロケットと称している。ミサイルではない、と言いたいのだろうが、原理は同じだ。発射にはミサイルの性能向上を図る狙いがあろう。

 打ち上げ予告期間中の4月15日は、故金日成主席の生誕100年にあたる。韓国に先んじて、自力で人工衛星打ち上げに成功すれば、3代世襲の若い指導者、正恩氏の大きな功績となる。そんな政治的な目的もあるに違いない。

 ミサイル開発で深い関係にあるイランが2009年以来、3回も衛星打ち上げを成功させている。その技術協力を得て、今回初めて成功する可能性もなくはない。

 衛星打ち上げであっても、弾道ミサイル技術を使っての発射を禁じた国連決議に違反する。発射の自制を北朝鮮に強く求めたい。

 北朝鮮は、米朝合意は反古(ほご)にならないと思っているのだろう。

 寧辺でウラン濃縮活動の停止を監視する国際原子力機関(IAEA)要員を早期に受け入れれば、米国は打ち上げを問題にはせず、食糧支援も得られる、との身勝手な計算があるのではないか。

 北朝鮮は3年前に「衛星」打ち上げを予告した時も、日本や米国、韓国などの警告を無視して発射を強行した。今回も天候不順でない限り、中止はするまい。ミサイル開発は大きく進むことになる。

 米国が神経をとがらせるのは、本土に届く長距離ミサイルの開発であり、射程延伸だ。一方、すでに中距離ミサイル・ノドンの射程内にある日本にとっては、精度向上が大きな脅威だ。

 北朝鮮に対し、長距離ミサイルに限らず中距離ミサイルの発射も一時停止するよう強く求めることが、日米両国には重要である。

 3年前、北朝鮮は日本海側の基地から日本列島に向けてミサイルを発射した。日本は国内に落下する万一の事態に備えて、自衛隊のイージス艦や地対空誘導弾部隊を展開させる警戒体制を敷いた。

 今回、北朝鮮は、黄海側の基地から南に向けて発射するという。日本列島の上空は飛行しないはずだが、政府は北朝鮮の動きを注視し、警戒を怠ってはならない。

2012年3月17日01時21分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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