HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 17 Mar 2012 00:21:16 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: それは一九九一年のまだ浅い春、日付が二月二十八日に変わっ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 それは一九九一年のまだ浅い春、日付が二月二十八日に変わってほどないころだ。速度計の数字が「325・7」を示した▼当時は「スーパーひかり」と呼ばれていたJR東海の新幹線車両が、米原駅近くで、十二年ぶりに鉄道の国内最高時速記録を塗りかえた瞬間。鉄道担当の記者として取材で同乗していた。その時の記事には「乗り心地は快適で拍子抜けした」などとある▼この車両が300系。その年の暮れには「愛称は『のぞみ』に決定」という記事も書いた。翌年三月、初代「のぞみ」として、従来の最高速度より五〇キロ速い時速二七〇キロで東海道新幹線にデビューした▼あの速度記録挑戦は、二七〇キロ営業運転の安全性担保のための試験だったが、結果的にJR東日本、西日本との記録競争の皮切りに。九六年夏には東海の試験車両300X系が四四三キロを達成。リニアを除けば、これが現在も国内最高記録と聞く▼もっとも、東海道の営業運転の最高速度は、今も300系が初めて実現した二七〇キロのままなのだから、偉大な車両と呼ぶべきだろう。運転開始から二十年。昨日、東京−新大阪間のラストランで、ついに引退した▼乗客としてもずいぶん世話になり、人生の節目となるような報を出張帰りの車中、携帯電話で受けたこともある。モノを人格化するようで何だが、素直に「ご苦労さま」と言いたい。

 

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