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閏年(うるうどし)の真剣勝負といえば、オリンピックとアメリカ大統領選である。結果は予断を許さず、少なくとも前者はフェアプレー精神に従う。春めくにつれ、ロンドン五輪への期待が膨らんできた▼サッカー男子が五輪出場をかけたバーレーン戦。もどかしい0―0で後半が始まって間もなく、扇原選手が慣れない右足で先制、続けて負傷明けの清武選手が追加点を突き刺した。「こんなにうれしいものなんだ」。主将を務めた権田キーパーのコメントは、いつも率直でいい▼原則23歳以下の五輪代表は、10代で世界大会への出場を逃し、「谷間」と呼ばれた世代らしい。大器晩成ともいう。「なでしこ」と張り合って、晴れ舞台で雑草の意地を見せてほしい▼他競技の準備もにぎやかだ。男女各3人がそろって初出場となるマラソンは、藤原新(あらた)選手の「無職の走り」に期待しよう。馬術では71歳を迎える法華津(ほけつ)寛さん。北京に続いての出場で、ご自身が持つ日本人の「五輪最高齢」記録を塗り替える▼お笑い芸人の山崎静代さんは、女子ボクシングのリングに立つべくアジア選手権へ。やはり芸人の猫ひろしさんはカンボジア国籍でのマラソン出場を狙う。当然、奇策には批判もある▼硬軟の話題をふりまくオリンピックという言葉、日本で輝きを保つのは東京大会の残像ゆえだろう。戦後の復興を象徴するイベントに、震災からの再生を重ねる人もいるはずだ。力と技、万国旗、祝祭。それらが五色の輪に束ねられ、この春の向こうに待つ。