HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48840 Content-Type: text/html ETag: "f2f01-1363-4bb2cbdd1c489" Expires: Thu, 15 Mar 2012 01:21:52 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 15 Mar 2012 01:21:52 GMT Connection: close 3月14日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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3月14日付 よみうり寸評

 「この下に高田あり」という高札が雪中に立てられていた。加賀から来た飛脚がこれを見て仰天した。そんな天和年間の豪雪(1681年)の話が残っている◆高田は今の新潟県上越市。全国有数の豪雪地は有数の地滑り地帯でもある。同市板倉区で発生した地滑りで、13日までに住宅や作業所など11棟が倒壊した◆土砂の崩落範囲は長さ750メートル、幅150メートル。かなりゆっくりしたスピードで移動している。市は21世帯80人に避難勧告を出し、近くの農村環境改善センターや親戚などへ避難が始まった◆今冬、地区の積雪は最大約3メートル、今も約2メートル。この雪解け水が地下に浸透、水を通さない層の上にたまり、土砂の摩擦が低下、地滑りを起こしたとみられる◆土砂にパイプを打ち込み、水を抜くのが防ぐ手立てだが、出てくる水の量と勢いに驚く。「北越雪譜」に〈雪中の洪水〉という一節のあることを思い出した◆著者の鈴木牧之は「雪中の洪水、種々さまざまなり。雪国の艱難(かんなん)、暖地の人(あわ)れみ給へかし」と書いている。

2012年3月14日13時51分  読売新聞)

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