HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50122 Content-Type: text/html ETag: "a31ed-1765-4bb22463ffbd0" Expires: Tue, 13 Mar 2012 22:21:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 13 Mar 2012 22:21:14 GMT Connection: close 幼保一体化 待機児童の解消につながるか : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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幼保一体化 待機児童の解消につながるか(3月14日付・読売社説)

 保育所への入所を待つ待機児童を減らすため、保育施設の拡充を急がなければならない。

 政府は、幼稚園と保育所を一体化した「総合こども園」(仮称)の創設を柱とする「子ども・子育て新システムに関する基本制度」をまとめた。関連法案を今国会に提出する。

 全国の待機児童数は、約2万5000人に上る。一方で、多くの幼稚園は定員割れしている。

 総合こども園は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ施設だ。幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省と分かれていた所管を内閣府に統一し、補助金も「こども園給付」に一本化した。

 認可保育所は、原則として総合こども園に移行する。

 新たに定める基準を満たしていれば、認可外の保育施設であっても公費で支援する。政府は、企業が経営に参入しやすくなり、保育施設が増えると見込んでいる。

 新システムは社会保障・税一体改革の目玉となる子育て支援策であり、政府は給付に必要な年間1兆円超の追加予算の大半を消費税増税分でまかなう方針だ。

 だが、総合こども園で果たして待機児童問題が解消するのかどうか、疑問もある。

 一つは、幼稚園の多くが総合こども園への移行に慎重なことである。これまで通り3歳以上の幼児教育に専念することを望む幼稚園も少なくない。

 待機児童の8割は0〜2歳児で占められている。総合こども園に移行して3歳未満も受け入れると施設増設などの負担もかかる。

 幼稚園側の負担を軽減し、移行を後押しするような措置も検討する必要があろう。

 もう一つは、総合こども園の認可基準の問題だ。東京都では、国の認可基準を満たさない保育施設でも、より緩やかな都の基準を満たせば補助対象とする独自の「認証保育所」制度を設けてきた。

 都の認証保育所が総合こども園に移行する場合、今より人員配置などの要件が厳しくなる。

 待機児童問題が最も深刻なのは東京などの大都市圏であり、地域の実情を踏まえた制度にすることも考慮しなければならない。

 自民党は、この新システムでは保育の質の低下や保護者の負担増を引き起こしかねず、「保育の産業化」の方向に向かうものだと批判している。

 だが、保育施設の拡充自体に異論はないはずだ。働く母親の切実な要望に応えるため、与野党で十分議論してもらいたい。

2012年3月14日01時22分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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