HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50391 Content-Type: text/html ETag: "a32c5-17c2-4bb0e4040d578" Expires: Tue, 13 Mar 2012 03:21:46 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 13 Mar 2012 03:21:46 GMT Connection: close 大阪維新「八策」 見極めるべき課題がまだ多い : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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大阪維新「八策」 見極めるべき課題がまだ多い(3月13日付・読売社説)

 橋下徹大阪市長が代表を務める地域政党・大阪維新の会が、次期衆院選の公約となる維新版「船中八策」のたたき台を公表した。

 評価できる部分はあるが、熟度の低い政策も目立つ。橋下氏自身、「付け焼き刃ではうまくいかない」と述べ、検討を重ねた上で決定するとしているのは、もっともである。

 たたき台は、大阪で取り組んできた公務員制度や教育の改革をはじめ、経済、社会保障制度など計8本の柱で構成されている。

 経済政策では、国外マーケットの拡大として環太平洋経済連携協定(TPP)に言及し、産業競争力の強化をうたっている。こうした方向性に異論はない。

 その一方で、「脱原発依存、新しいエネルギー供給革命」も、議論するという。安定的な電力供給を実現し、産業空洞化を防ぐための具体策を聞きたい。

 目下、最大の政治課題であるはずの「社会保障と税の一体改革」の問題、とくに消費税率の引き上げについて、たたき台は明確にしていない。国政を目指すという以上、見解を示すべきだろう。

 社会保障政策では、「年金、失業対策、生活保護の一本化による最低生活保障制度の創設」を基本に、「現行の年金制度をリセット(清算)し、積み立て方式へ移行」「保険料の掛け捨て方式」といった観点から議論する考えだ。

 いずれも検討段階とはいえ、具体性に乏しく、現実的な政策かどうか、判断できない。

 外交・防衛政策に関しては日米同盟を基軸にするというだけで、検討項目の羅列に過ぎない。

 「憲法改正」を掲げた姿勢は評価できよう。憲法改正に必要な発議要件を衆参両院の3分の2以上から2分の1以上に緩和するなど適切な考え方も示されている。

 統治機構の改革として「首相公選制」を掲げているが、これにも憲法改正が前提となる。与党の支持を得ていない首相が一時的な人気で選ばれた場合、国会運営が困難になるなど難点も多い。慎重に検討を重ねてもらいたい。

 読売新聞の世論調査によると、維新の会の国政進出には58%が「期待する」と答えている。既成政党への不満の表れだろう。

 だが、大阪維新の会は、人気先行との面は否めない。

 最終的に選挙公約はどう収斂(しゅうれん)し、どの既成政党と協力関係を結ぶのか。政治手法、政策決定過程、候補者の人選などと併せて、見極めるべき課題は少なくない。

2012年3月13日01時28分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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