HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50233 Content-Type: text/html ETag: "a3600-174b-4bb0e404305ec" Expires: Mon, 12 Mar 2012 23:21:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 12 Mar 2012 23:21:11 GMT Connection: close エネルギー政策 現実的な電源構成を目指せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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エネルギー政策 現実的な電源構成を目指せ(3月13日付・読売社説)

 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、エネルギー政策の重要性は一段と増している。

 政府は事故の教訓を生かし、原発の安全性向上に努めねばならない。安全を確認できた原発は再稼働し、電力危機を回避することが急務である。

 野田首相が11日の記者会見で、原発再稼働に向けて、地元説得の「先頭に立つ」と明言したことは評価できる。

 一方、首相はこれまで、中長期的に原子力への依存度を最大限に低減させる「脱原発依存」を目指すとしてきた。具体的な内容は依然としてあいまいだ。

 政府は今夏にまとめる新しいエネルギー戦略で、将来の望ましい電源構成を示し、達成への道筋を明確にする必要がある。

 大切なのは、感情的な「反原発ムード」に流されず、安全性と電力の安定供給、経済性にも目配りした、現実的なエネルギー政策を打ち出すことだ。

 政府内では、太陽光や風力など再生可能エネルギーの拡大に対する期待が大きい。太陽光発電などの電気を、高値の固定価格で買い取る新たな支援制度も、7月にスタートする。

 普及を後押しすることは望ましいが、買い取り制度を先行導入した欧州では、電力料金の高騰を招き、制度の見直しが進んでいる。過大な期待は禁物だ。

 水力を除く自然エネルギーは日本の全発電量の約1%で、天候などで電力が変動する短所もある。拡大ペースには限界があろう。

 原発の比率を下げれば、火力発電に頼らざるを得ない。こちらも問題は多い。現在でも代替に必要な燃料費は年3兆円を超えるとされ、経済の重荷だ。国際的な資源争奪で、燃料高騰や調達難のリスクは増大すると見込まれる。

 電力を安定して確保するためには、日本の技術力と安全性を向上させ、原子力の活用を続けることが求められる。

 新たなエネルギー戦略で、政府が将来の「原発ゼロ」を掲げることは避けるべきだ。

 原子力技術者の海外流出に拍車がかかり、後進も育つまい。これでは、原発や使用済み核燃料を安全に管理できなくなる。

 国内の古い原発を順次、安全な新型に置き換えるという選択肢も、残しておくべきだ。

 中国をはじめ新興国は原発の増設を進めている。日本には技術力を保ち、今後も原子力の平和利用で国際貢献する責務がある。

2012年3月13日01時28分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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