
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50771 Content-Type: text/html ETag: "ffdb5-178d-4babd79f1023e" Expires: Thu, 08 Mar 2012 20:21:16 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 08 Mar 2012 20:21:16 GMT Connection: close
![]() ストーカー殺人 警察の対応不備が招いた惨事(3月9日付・読売社説)過去の教訓が生かされていない。警察は再発防止策を徹底すべきだ。 長崎県西海市のストーカー殺人事件で、千葉、長崎、三重の3県警が対応の不備を認める検証結果をまとめ、遺族に謝罪した。 昨年12月、西海市で、男が知り合いの女性の母親と祖母を殺害する事件を起こした。男の実家は三重県にあり、千葉県にあった女性宅に一時、居座っていた。 検証によると、男は女性に暴力をふるってけがをさせたため、女性の父親が3県警に相談した。男は警察から口頭で警告された後も女性の知人らに「必ず殺す」といった脅迫メールを送りつけた。 父親は再び、3県警に相談したが、いずれもメールの内容を確認せず「管轄は向こう」と、対応を「たらい回し」にした。人命を守るべき警察の対応ではない。 父親が傷害事件の被害届を出しに行くと、千葉県警は「1週間待ってほしい」と引き延ばした。 男は埼玉県でストーカー規制法違反の犯罪歴があった。ところが情報は共有されていなかった。大きなミスの連続だ。警察には、相談内容が重大事件に発展する危機意識が欠けていた。 ただちに強制力のある規制法の適用に踏み切るべきだった。制定の契機は、13年前に女子大生が犠牲になった埼玉県桶川市のストーカー事件である。桶川事件でも、警察は被害者やその家族の被害申告を放置していた。 ストーカー被害は近年、増加傾向にある。2010年の認知件数は過去最多の1万6000件を超えた。その1割は複数の都道府県にまたがっている。 家族に危害が及ぶ例も少なくない。加害者は、「被害者は自分に恋愛感情があるのに周囲が邪魔している」と思い込む傾向がある。09年に千葉で起きた殺人事件も犠牲者は被害女性の母親だった。 警察庁は今回、再発防止のための通達を出した。被害者に緊急通報装置を持たせ、警察が即応できる保護措置の徹底を明記した。警察間の調整専門官も新設した。もっと早くこうした手立てを講じるべきだったのではないか。 肝心なのは、警察官一人ひとりが被害者に寄り添い、相談に耳を傾ける姿勢だろう。加害者への監視の強化や、行政と連携して専門家のカウンセリングを受けさせるなどの取り組みも図るべきだ。 「誰も助けてくれないと、絶望的な気持ちになりました」。警察は今一度、遺族の言葉を胸に刻みつけてもらいたい。 (2012年3月9日01時07分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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