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3月8日付 編集手帳

 かかあ天下の「かかあ」には「嬶」をあてる。中国伝来の文字にはなく、日本生まれのいわゆる国字だという。「鼻」を含んでいるのが妙といえば妙である◆藤堂明保編『漢和大字典』(学習研究社)には〈鼻息のあらい女の意か〉とあり、「かかあ天下」とも何やら符合している。微醺(びくん)を帯びる程度にとどめたつもりが、よく利く鼻に「また飲んできたのね」と追及された経験をもつ方には、いまいましくもよく出来た文字に違いない◆その人も、にんべんに鼻という字を創作して奉りたいほどの嗅覚を職場で(たた)えられてきたらしい◆「水増し」でいいのか、「酒増し」と言うべきか、飲酒運転の取り締まりでアルコールの検出数値を捏造(ねつぞう)したとして、大阪府警・泉南署の警部補(57)が証拠隠滅などの疑いで逮捕された。泉南署が昨年摘発した飲酒運転79件のうち51件がこの警部補の“手柄”というから、世間の嬶さま方も顔色無しだろう。「成績優秀」の表彰も受けている◆酒や(さかな)を題材に数々の名句を残した久保田万太郎に、〈()(こごり)やいつまで残る酒の(くい)〉という句がある。酒にまつわる悔いにもいろいろある。

2012年3月8日01時16分  読売新聞)

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