HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50592 Content-Type: text/html ETag: "87d37-1725-4ba958753fc72" Expires: Tue, 06 Mar 2012 22:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 06 Mar 2012 22:21:13 GMT Connection: close がれき広域処理 受け入れ拒否が復興を妨げる : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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がれき広域処理 受け入れ拒否が復興を妨げる(3月7日付・読売社説)

 東日本大震災の被災地で、がれきの処理が大幅に遅れている。復興の障害になる深刻な状況と言えよう。

 岩手、宮城、福島3県で発生したがれきは約2250万トンに達する。処理しきれない大量のがれきは仮置き場に山積みされ、行き場を失っている。焼却・埋設などで最終処分されたのは6・3%にとどまる。

 環境省は2014年3月までにがれき処理を完了する目標を掲げているが、達成は厳しい。

 処理が進まない最大の要因は、他の都道府県に運んで処分する「広域処理」の停滞だ。

 首長や自治体が受け入れに動こうとしないのは、放射能汚染のゼロリスクを求める一部住民らの声に配慮せざるを得ないためだ。

 例えば、受け入れに前向きな神奈川県の黒岩祐治知事は1月に3回、住民説明会を開き、協力を求めた。だが、激しい怒号やヤジが飛び、理解は得られなかった。

 日本全体が協力し、被災地復興に取り組まねばならないこの時期に、あまりに非協力的な過剰な反応で、被災者にとってつらく悲しい事態と言うほかはない。

 政府は自治体任せにせず、積極的にがれきの安全性を説明し、受け入れに理解を求めるべきだ。

 野田首相は、がれきを受け入れる自治体に対し、処分場整備や放射能検査などに財政支援する考えを示した。当然の対応である。早急に実施してもらいたい。

 広域処理の対象は、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染の影響が少ない岩手、宮城県内のがれきだ。

 環境省などの放射能検査の結果、焼却後に埋め立て処分しても、周辺環境にほとんど影響のない低い数値を示している。

 それにもかかわらず、がれき処理を引き受けたのは、東京都のほか、山形、青森県の一部の自治体に過ぎない。秋田、静岡県などでも受け入れの動きがあるが、全国的な広がりにはほど遠い。

 全国の知事や市町村長は、被災地支援の観点から住民を説得すべきだ。独自にがれきの放射能検査を実施している東京都などの取り組みも参考になる。

 福島県内のがれきについては、原則として県内で処分するが、第一原発に近い立ち入り制限区域では撤去すら手つかずだ。避難住民が早期に帰還できるよう、政府はこの処分も急がねばならない。

2012年3月7日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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