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３月６日付 よみうり寸評〈誰も助けてくれない〉――長崎ストーカー事件で家族２人の命を奪われた遺族・山下誠さん（長崎県西海市）の悲痛な叫びだ◆三女に対する容疑者のストーカー行為について、山下さんは３県３か所もの警察署に相談を重ねていたのに、むなしくも妻と母に対する凶行を防げなかった◆千葉、三重、長崎の３県警は５日、事件の検証結果を遺族に説明、謝罪したが、後の祭りだ。誰も助けてくれないと遺族が絶望的になるような警察でどうする。事件に対する危機感を欠き、３県警の連携がまるで機能しなかった◆三女のマンションが千葉・習志野市、避難した実家が長崎・西海市、容疑者の自宅が三重・桑名市という関係◆犯罪はとうの昔から広域化しているが、警察は昔ながらの縄張りを越えられないようだ。三女の周辺に届いた「必ず殺す」などの脅迫メールをどの署も確認していない◆「被害届は１週間待ってほしい」。こんな対応もあった。積極性も希薄だ。警察官一人ひとりに山下さんの叫びを胸に刻むよう望む。 （2012年3月6日13時43分 読売新聞）
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