HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 07 Mar 2012 01:21:14 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:強硬イスラエル 危険すぎるイラン攻撃:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

強硬イスラエル 危険すぎるイラン攻撃

 イスラエルがイランの核施設への攻撃も辞さないと警告している。欧米諸国が外交解決を目指している段階で、中東での新たな戦争にもつながりかねない軍事行動は思いとどまるべきだ。

 米イスラエル首脳会談がワシントンで開かれ、オバマ大統領はイラン核問題について、イラン産原油の禁輸など制裁を伴う「外交的解決」を主張し、イスラエルに自重を求めた。

 ネタニヤフ首相は「安全保障については自らが決める」と述べ、単独攻撃の可能性を排除しなかった。

 イスラエルはかつてイラクとシリアの核施設を空爆し、核兵器開発を阻止した。一九四八年の建国以来、自国を取り囲むアラブ諸国と四度にわたる「中東戦争」を経て、国土を守り抜いたという強い自負がある。既に核兵器を保有しているといわれる。

 しかし、対イラン攻撃はもっと難しいとみられる。戦闘機は往復で最短三千二百キロ飛行し、しかも対立する周辺国の領空を通過せねばならない。標的とする核施設は少なくとも四カ所という。各国専門家には「いま破壊できても、核開発を二、三年遅らせるだけだ。地域に及ぼすリスクが大きすぎる」という分析もある。

 イランは必ず報復するだろう。弾道ミサイルでの反撃に加えて、レバノンに拠点を置く親イランのイスラム教組織ヒズボラが、イスラエルに攻撃を仕掛ける恐れがある。原油価格は高騰し世界経済に深刻な影響が出よう。

 イスラエルには軍事行動に走らず、経済制裁によるイランの軟化を忍耐強く待つよう望む。

 イランはイスラム教シーア派の教義に基づく統治をし、欧米の価値観とは異なる国造りを進める。豊富な石油、天然ガス資源を持ちながら核開発に執着することに、欧米や湾岸諸国は「中東の覇権を握ろうとしている」と警戒する。

 事態沈静化のためには、イランはまず、国連安保理の五常任理事国にドイツを加えた六カ国との協議に応じるべきだ。同時に国際原子力機関(IAEA)の査察に応じて、軍事転用ではないと証明せねばならない。残された時間は多くない。

 野田佳彦首相は先月来日したイスラエルのバラク国防相に軍事行動の自制を求めた。日本はイラン産原油の輸入を削減して制裁に同調するが、イランとも直接対話をしウラン濃縮活動の中止を促す役割も考えたい。

 

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