
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52411 Content-Type: text/html ETag: "3ea9d-1e60-4ba6d4fe6faa2" Expires: Mon, 05 Mar 2012 00:21:12 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 05 Mar 2012 00:21:12 GMT Connection: close
![]() 遅れる復興 政府と被災地の「落差」解消を(3月5日付・読売社説)東日本大震災の復興関連の補正予算はすべて成立し、復興交付金や特区の制度も整った。先月10日には政府の司令塔たる復興庁も発足した。 だが、肝心の予算の執行は進まず、制度の活用も不十分で、被災地の復興は依然、遅れている。 読売新聞の世論調査では、復興が「進んでいない」と見る人が72%に上った。特に、東北地方では78%と高かった。 ◆東北に寄り添おう◆ その原因については、「原発事故の影響が大きい」「被害の規模と範囲が大きい」に次いで、「政府の対応に問題がある」との回答が61%もあった。 政府・与党は、これらの数字を重く受け止め、復興事業の加速に全力を挙げるべきだ。 政府は、総額1兆8500億円の復興交付金の第1弾として、2509億円の配分を決めた。 災害公営住宅の建設、高台への住宅集団移転といった緊急性の高い事業が中心で、宮城、岩手、福島など7県と59市町村に交付される。 だが、被災自治体からは、「自由に使える予算を要望していたのに、政府の査定が厳しく、通常のひも付き補助金と変わらない」といった不満が相次いでいる。 交付金の申請段階で仕分けされて後回しにされたうえ、査定段階でも緊急性が低いと判定されたことへの反発だ。当初の期待と現実の落差が大きかったのだろう。 無論、交付金の事業に優先順位をつけ、内容を精査することは必要だが、政府は、申請段階から、より入念に自治体と協議・調整し、適切な助言をしておくべきではなかったか。 被災者は一日も早い復旧・復興を望んでいる。政府には、もっと被災者や自治体に寄り添った対応が求められる。 ◆応援職員の増派が急務◆ 復興関連予算の執行が遅れていることも問題だ。1月末現在では、4次に及ぶ補正予算に計上された14兆3400億円のうち執行されたのは7兆8200億円で、執行率は55%にとどまる。 その大きな原因は、太平洋沿岸部の小規模自治体を中心に、土木・都市計画などを専門とする技術系職員が不足し、町づくりや区画整理などの作業が思うように進んでいないことにある。 被災自治体は、より多くの応援職員を、より長期に派遣してもらうことを強く希望している。 政府は昨年末、全国の都道府県と政令市に対して、専門職員の長期派遣を要請した。約160人の派遣が決まったが、被災地の職員不足の解消にはほど遠い。 全国の自治体や独立行政法人などに、追加派遣を働きかける必要がある。民間企業の技術者を一定期間、臨時に採用し、被災自治体に派遣するのも一案だろう。 津波で甚大な被害を受けた地域では、住民が高台への集団移転を検討している。しかし、合意形成には時間を要している。 住宅建築費などの自己負担を伴うため、途中で断念する人も少なくない。概して、若い人は移転に前向きだが、高齢者は元の土地にとどまりたい傾向がある。 自治体には、住民の合意形成を促進するノウハウが乏しい。北海道南西沖地震や新潟県中越地震など過去の集団移転に関与した経験を持つ人を、調整役として活用することが重要だろう。 集団移転が決まらないため、新たな市街地の場所や、復旧する鉄道のルートも決まらない。そんな悪循環に陥りかねない。 どんな町づくりをするかを決定する主体は本来、現地住民であるべきだとしても、復興の遅れを避けるには、政府や自治体の積極的な側面支援が欠かせない。 復興庁は、被災地に3復興局と6支所を開設したが、職員は計90人しかいない。自治体の様々な要望に応える一元的な窓口の役割を果たしているとは言い難い。地方の体制を拡充し、自治体との連携を強化すべきだ。 ◆特区の有効活用を図れ◆ 復興特区制度では、9件の申請があり、宮城県の「民間投資促進特区」など4件が認定された。特区には、企業誘致のための税制の優遇措置や、病院や福祉施設の設置基準を緩和する規制緩和などが認められている。 企業誘致は、雇用の確保などの波及効果があり、地域を再生する原動力にもなり得る。 肝心なのは、特区制度を最大限活用することだ。小規模な自治体にとって、独自に企業を誘致するのは簡単なことではない。 政府は、被災地への進出に関心を持つ企業への合同説明会を開くなど、自治体を積極的に後押しすることが大切だ。 (2012年3月5日01時29分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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