HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sun, 04 Mar 2012 02:21:18 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞: 昔から<始め半分>という。どんな仕事も、まず始めてみれば…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 昔から<始め半分>という。どんな仕事も、まず始めてみれば、ほら、もう半分できたも同然…。ただ、その仕事の「目的地」や「道筋」を定めぬまま、ただ始めるとなると、むしろ<始めよければ…>の逆になりかねない▼最近の野田政権に感じる危うさが、それ。停止中の原発について「まず再稼働」とばかり、やけに前のめりなのだ。手続きの進む関電・大飯原発3、4号機をとば口に、と急(せ)いている節がありあり▼あの事故からやがて一年。定期検査入りなどで西日本にはもう稼働中の原発はなく、四月には全国でゼロに。まさに「ゼロ」から原発の今後を考え得る時という意味で、私たちは今、新たなスタートライン上に立っている▼その場所でまず政権が為(な)すべきは、「目的地」は「脱原発社会」だとあらためて宣明すること。経団連の首脳さえ「それが理想」と言う以上、難事ではあるまい。次に、コストの増加も勘案して非原発の既存電力と自然エネの拡充や節電策をからめた目的地への「道筋」を描き出す▼再稼働は、その上で、どうしても電力が足りないとなる場合に初めて云々(うんぬん)すべき話だ。それもなしで、とにかく「まず再稼働」とは、ゴールもコースも知らぬまま焦ってマラソンを走りだすに等しい▼ここは大事な局面だ。思えば、「目的地」を指す英語デスティネーションの語源は運命(デスティニー)とつながる。

 

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