HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 03 Mar 2012 00:21:45 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:再建社長の責務 まず社会の信頼回復を:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

再建社長の責務 まず社会の信頼回復を

 不祥事や業績不振に陥った企業の社長交代が相次いでいる。社外取締役を増やしたり若手を抜てきするなど苦しい舞台裏が見える。新社長は株主だけでなく、社会からの信頼回復が最優先課題だ。

 巨額損失隠し事件で揺れるオリンパスは先月下旬、笹宏行執行役員を新社長に昇格させる人事を決めた。新会長には木本泰行・日本総合研究所社長を迎えるほか、取締役十一人のうち八人を社外出身者とした。

 正式決定は四月二十日の臨時株主総会後の取締役会となるが、高山修一社長ら現経営陣が総退陣する異例の交代。今後、世界的な内視鏡技術など医療中心の事業を展開する方向だが、財務体質の改善と社内士気の向上が課題だ。

 業績不振の責任を取る形で社長交代を決めたのがパナソニック。大坪文雄社長が退任し、六月下旬の株主総会後に津賀一宏専務が社長に昇格する。二〇一二年三月期連結決算は、最終赤字が七千八百億円に達する見通しである。

 大坪社長は社名変更や三洋電機の買収などを推進したが、薄型テレビでは円高と韓国勢との競争に敗れた。今後は環境エネルギー事業などで回復を目指すが、それこそ“社内革命”が必要だ。

 電機業界ではソニーもハワード・ストリンガー社長兼最高経営責任者(CEO)が退任し四月一日付で平井一夫副社長が昇格する。この三月期連結決算も最終赤字が二千二百億円に達する見込み。

 テレビ事業の立て直しが急務。平井氏は「(ゲームや映画を配信する)ネットワークサービスなどでソニー独自の付加価値を付ける余地はある」と語る。魅力ある製品の早期投入がカギを握る。

 異例なのはキヤノン。満七十六歳の御手洗冨士夫会長兼CEOが今月下旬、社長に復帰する。世界経済が大変な時期なので世代交代は慎重にならざるを得ない−と言うが後継者不足を印象づける。

 このほか会社更生法の適用を申請したエルピーダ、前会長が会社法違反(特別背任)罪に問われている大王製紙などは、まだ新経営陣の姿が見えない。

 オリンパスやパナソニック、ソニーの新社長はいずれも五十代である。若返りで再建にスピードをつける。しがらみのない人事や大胆な事業統廃合など、困難な局面を乗り切るには体力がいる。

 企業は従業員や消費者など多くの人々に支えられている。社長の責任は極めて重いが、関係者の期待に応えることが責務である。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo