HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48891 Content-Type: text/html ETag: "f6200-1352-4b9f45c81de78" Expires: Tue, 28 Feb 2012 02:21:47 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 28 Feb 2012 02:21:47 GMT Connection: close 2月28日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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2月28日付 編集手帳

 立川談志、橘家円蔵、古今亭志ん朝、毒蝮三太夫の4師匠が焼き肉を食べた。帰り際、談志さんが「おい蝮、お前が払え」と言う。「割り勘は皆が不愉快になる。お前が払えば、お前だけ不愉快で済む」◆円蔵さんの高座で聴いたマクラである。たった一人で不愉快を引き受けるのではたまらないが、ならば割り勘がいつも公平かといえば、そうとも限らない◆酒豪3人が1万円ずつ飲み、2000円しか飲まなかった人も含めて平均8000円ずつの割り勘では、お気の毒だろう。飲んべえにして懐さびしき身に、「平均」は夜ごと馴染(なじ)みの数学である◆『生徒100人の平均身長は163・5センチ』の意味を問われて、「身長が163・5センチよりも高い生徒と低い生徒が50人ずついる」に丸をつけた大学生が少なからずいた。中堅私大では半数が誤答という。日本数学会が初めて実施した「大学生数学基本調査」の結果に、うなった方もいただろう。学習内容を削り、考える力をじっくり養うはずだった〈ゆとり教育〉の、かわいそうな被害者かも知れない◆将来、“割り勘要員”のカモにされなければいいけれど。

2012年2月28日01時11分  読売新聞)

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