HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49454 Content-Type: text/html ETag: "f2f2d-1574-4b9cc5e5b8aa4" Expires: Sat, 25 Feb 2012 20:22:22 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 25 Feb 2012 20:22:22 GMT Connection: close 2月26日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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2月26日付 編集手帳

 〈あはれ、此国(このくに)の/(おそ)るべく()つ醜き/議会の心理を知らずして、/衆議院の建物を見上ぐる(なか)れ〉。1915年(大正4年)の読売新聞日曜版に「()(じゅう)(むれ)」と題した辛辣(しんらつ)な国会批判の詩が載っている◆作者は、小社の一員だった与謝野晶子。〈彼等を選挙したるは誰か〉と、当時、選挙権のなかった「平民」や女性の怒りが50行の長詩に込められている◆その内容が100年近く後の今でも結構あてはまるところに、情けなくも驚く。〈此処(ここ)に在る者は/民衆を代表せずして/私党を()て〉〈公論の代りに/私語と怒号と罵声とを交換す〉。現代の選良たちは、先達も同じレベルだったと胸をなで下ろすのだろうか。嗚呼(ああ)…◆立派な議員も多数存じ上げているので、駄獣とまで呼ぶつもりはないが、必要と分かっている社会保障改革や消費税の議論など、もっと建設的に進められないものでしょうか◆と嘆いてみても、今は成人全員が有権者、〈彼等を選挙したるは誰か〉と問えば、自分に返ってくる話だ。戦前は政治家が信頼を失い、とんでもないことになった。2月26日は歴史を顧みつつ余計な心配が募る。

2012年2月26日01時28分  読売新聞)

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