HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 24 Feb 2012 00:21:18 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 名画『カサブランカ』に材をとったウディ・アレン主演のコメ…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

 名画『カサブランカ』に材をとったウディ・アレン主演のコメディー『ボギー!俺も男だ』(一九七二年)に、妙に印象に残っている登場人物がいる▼記憶は曖昧だが、ビジネスマンか何か。店に入ったりすると、そこの電話番号を尋ねて、オフィスかどこかへ「これから三十分はこの番号の所にいる」などといちいち電話する。移動の度に、とにかくそれを繰り返すのが滑稽で、笑った覚えがある▼時の流れというやつで、昔の映画の設定には今では無理があるものも少なくないが、これもその一つだろう。総務省が最近、明らかにしたところだと、わが国の昨年末時点でのPHSを含めた携帯電話の加入契約数は、実に一億二千九百八十万件余。ついに人口を超えた▼一人一台以上の勘定で、普及率は101・4%とか。確かに、カメラやメール機能なども付加されて、一度使えば手放せぬほど便利なものではあるけれど、やっかいな部分もないことはない▼どこへでも持って行けるということは、用件だの連絡だのが、どこまでもついてくるということ。電話に“縛られている”という点では、あの映画の男と大差ないような気もする▼<むかうむきに時計を置けばざまあみろ時は勝手に流れてゆくさ>岩田正。なるほど。携帯電話だって同じことだろう。たまには敢然と電源を切って、ざまあみろ、と言ってみようか。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo