HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51371 Content-Type: text/html ETag: "a1f50-178b-4b97bdcd61eaf" Expires: Wed, 22 Feb 2012 02:21:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 22 Feb 2012 02:21:14 GMT Connection: close 原発耐性検査 政府は安全確保策を明示せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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原発耐性検査 政府は安全確保策を明示せよ(2月22日付・読売社説)

 原子力発電所の安全性をどう確保するつもりなのか。政府は明快に説明する必要がある。

 内閣府の原子力安全委員会が、関西電力による大飯原発3、4号機のストレステスト(耐性検査)1次評価に関する検証作業をスタートさせた。

 このテストは、地震や津波などに原発が襲われたと想定し、どこまで安全性に余裕があるかを計算で確かめるものだ。

 政府は、これに「合格」することを定期検査で停止した原発の再稼働条件としてきた。経済産業省原子力安全・保安院は「妥当」との判断を示している。安全委も論議を急いでもらいたい。

 この安全委の評価を踏まえ、政府は原発の立地自治体に了解を得て再稼働につなげる方針だ。

 ところが、安全委の班目春樹委員長が「1次評価だけでは安全性の確認が不十分」と異論を唱えたことから混乱が広がっている。

 東京電力福島第一原発の事故以降、政府は原発の安全性について判断材料を示すことを求められている。その柱としてきた1次評価に班目氏が疑問を呈した形だ。

 班目氏は、1次評価が欧州で実施されている原発ストレステストの簡易版であることを疑問視している。施設や設備の弱点を細部まで確認していないためだ。

 安全委は、もともと欧州並みのテストを求めていたが、原発再稼働を急ぐ保安院が1次評価を設けたため、安全委のテストは2次評価に棚上げされた。

 しかも原子力規制体制の大幅な改編が4月に予定されており、2次評価の扱いは不透明だ。

 こうした不満が「不十分」発言となったのだろうが、安全委としては、1次評価の内容を吟味して安全向上に役立つ点を具体的に示すのが責務ではないか。

 福井県などは、ストレステストの実施よりも、分かりやすく具体的な安全基準を設けてほしい、と政府に求めている。

 保安院はすでに、全電源を喪失した福島第一原発事故を教訓として、電源強化など30項目の安全向上策をまとめている。これを地元の説得材料にできないだろうか。政府が地元の理解を得る努力を怠れば、再稼働は実現しない。

 今週、関電の高浜原発3号機が定期検査入りし、国内で稼働中の原発は2基となった。4月末にゼロとなる。電力各社は電力を融通し合い、綱渡りでしのいでいるが、状況はさらに厳しくなる。

 政府の混乱と無策で、電力危機を恒常化させてはならない。

2012年2月22日01時25分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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