HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 22 Feb 2012 01:21:19 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: ヤマトホールディングス、パナソニックなどの大企業の幹部と…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 ヤマトホールディングス、パナソニックなどの大企業の幹部と並んで、地方の街のパン屋さんが、着慣れない背広姿でひな壇に立っていた。社会貢献活動をしている企業に贈られる企業フィランソロピー大賞の特別賞を受賞した「パン・アキモト」(栃木県那須塩原市)の秋元義彦社長(58)だ▼評価されたのは「救缶鳥プロジェクト」。備蓄用の非常食として開発したパンの缶詰を、自治体や企業などから三年の賞味期限の一年前に安く下取りして、NGOを通じて海外の被災地に送ってきた▼賞味期限が切れると、廃棄される運命にある非常食に、支援物資という新たな使命を与えた発想が光る。昨年三月まで、飢餓や災害に苦しむアフリカなどに十二万缶を送った▼「長期保存できて、しっとりと柔らかいパンをつくってほしい」という阪神大震災の被災者の要望に応えて開発した缶詰のパン。今は、栃木と沖縄の工場がフル稼働し、一日一万五千個を製造しても需要に追いつかないという▼東日本大震災の際には、トラックに支援物資を詰め込み、缶パン十万個を被災地に届けた。干ばつに苦しむケニア北部にも行き、栄養失調でやせ細った子どもたちに食べてもらって反応を直接、確かめてきた▼大企業でなくても、苦しむ人たちを支え、励ます社会貢献の活動はできる。笑顔の秋元さんを見ていると胸が温かくなる。

 

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