HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51183 Content-Type: text/html ETag: "d1ea2-1787-4b967839f784b" Expires: Mon, 20 Feb 2012 22:21:15 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 20 Feb 2012 22:21:15 GMT Connection: close イラン情勢 外交努力と緊急時への備えを : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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イラン情勢 外交努力と緊急時への備えを(2月21日付・読売社説)

 核開発疑惑の解明を拒んでいるイランが、英仏の石油会社への原油輸出を停止した。イランを巡る情勢は一段と緊迫感を増してきたといえる。

 国際社会は、経済制裁による圧力をイランに加え続けながら、対話を通じた解決の糸口を探らねばならない。

 欧州連合(EU)は、米国の追加制裁に歩調を合わせ、イラン産原油禁輸を7月から実施すると決めている。これに反発するイランが、先手を打った形だ。ウラン濃縮活動の拡大を公表したのに続き、緊張を高める動きである。

 一方でイランは、EUに、国連安全保障理事会常任理事国の米英仏中露に独を加えた6か国との協議を再開する用意があると伝えている。国際原子力機関(IAEA)の代表団第2陣も受け入れた。

 イランの硬軟両様の対応には、国際社会の離間を図る狙いがあろう。イランは、緊張を激化させる行動を控え、早急に話し合いのテーブルにつくべきだ。

 懸念されるのは、イスラエルによるイラン核施設への空爆が現実味を帯び始めていることだ。イスラエルは、このまま時間を与えれば、イランの核開発は阻止できなくなると危機感を強めている。

 だが、攻撃すれば事態は一層深刻化しよう。中東の混乱は世界経済に大きな打撃となる。イスラエルにも自制が求められる。

 イランは、欧米による制裁への対抗手段として、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡を封鎖する可能性も示唆している。万一、そうした事態になれば、原油輸入の9割近くを中東に依存する日本の安全保障が脅かされる。

 日本政府は、関係国と連携し、核問題の外交的解決を追求せねばならない。同時に、緊急時に備えて、自衛隊派遣に関し法律、部隊運用、現地情勢などを多角的に検討、議論しておく必要がある。

 野田首相は国会審議で、自衛隊派遣の可能性を検討していると認めた。当然の対応である。

 一つの選択肢は、海上自衛隊による機雷の除去だ。軍事紛争中は戦闘行為に当たるため、法的には困難だ。紛争終了後なら、湾岸戦争後の掃海艇派遣の実績もあり、海自の高い能力を発揮できる。

 護衛艦によるタンカー警護も海上警備行動を発令すれば可能だ。ただし、対象は日本関係船舶に限られ、武器使用も制限される。

 重要なのは、日本が能動的に対応できるよう、積極的に情報収集に努め、自衛隊派遣の様々な選択肢を確保しておくことだ。

2012年2月21日01時08分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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