HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 19 Feb 2012 22:21:14 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:マニフェスト 地方では工夫が進むよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

マニフェスト 地方では工夫が進むよ

 公平で分かりやすい選挙を実現しようと、地方政治の現場で工夫が進んでいる。マニフェスト作成支援も、その一つだ。住民のための地方自治をさらに深めるように、しっかり議論してほしい。

 マニフェストは選挙公約とされる。二〇〇九年にマニフェストを掲げた選挙で初当選した三重県松阪市の山中光茂市長が、支援条例の制定を二月議会に問う。

 市長は、現職と新人で情報量に差があり、対等に政策論争できないため「地域や業界に推されての選挙になる」と懸念。条例により、市の計画書や決算書などの保有情報を提供し、市職員が説明することで「恒久的なマニフェスト型選挙の展開を目指す」という。

 地方でもマニフェストの内容が充実し、有権者が各候補の政策を比較しやすい分かりやすい選挙が進むのなら歓迎だ。住民自治をさらに深めることにもなろう。

 全国を見渡すと、岐阜県多治見市、愛知県一宮市、東京都中野区など八自治体が、マニフェスト作成支援を要綱で定めている。条例化は前例がなく、意欲的な取り組みと評価はできる。

 山中市長は「変更もありうる要綱ではなく、制定や廃止に議決がいる条例で制度化することが望ましい」との考えだ。一方、松阪市議からは、すでにある情報公開条例との違いを問う声など、条例制定の必要性への疑問もある。

 情報公開条例の運用ではどんな情報が不足し、支援条例ができた場合に、市職員が候補の政治活動にかかわる形になることの是非などについても、市長は議会で丁寧に説明してほしい。

 マニフェストを含む有権者との約束を再考する好機ともしてほしい。二〇〇三年がマニフェスト元年と呼ばれる。導入の先駆者であった北川正恭元三重県知事は「マニフェストは、税を使う側の人との約束でなく、税を支払う主権者に約束するもの」と指摘した。

 確かにマニフェスト型選挙は言いっ放しだった選挙の公約を、期限・財源・工程を明記した政権公約集へと劇的に変えた。だが、期待が高かっただけに、民主党政権のマニフェスト総崩れの様相は、政治不信を増幅させた。

 マニフェストが金科玉条だとは言わぬ。大切なのは、選挙後の進ちょく状況の検証と説明責任だ。ことに、有権者との距離が近い地方政治では、分かりやすい選挙や政治となるよう、積極的に工夫を重ねる努力が必要だ。

 

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