HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 19 Feb 2012 20:21:46 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:社会保障改革 与野党協議なぜ始めぬ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

社会保障改革 与野党協議なぜ始めぬ

 「社会保障と税の一体改革」大綱が閣議決定された。年金抜本改革を含まず一体改革の名には値しないが、持続可能な社会保障制度をつくるのは喫緊の課題だ。与野党は協議をなぜ始めないのか。

 野田佳彦首相は当初、一月の素案決定後、野党側と協議して大綱をまとめ、三月末までに法案を国会提出したい考えだった。

 しかし、野党側は国会提出前の協議に応じず、素案をそのまま大綱の内容とせざるを得なかった。

 野党を巻き込んで消費税率引き上げに道筋を付ける「野田シナリオ」は崩れたことになる。

 一体改革をめぐる議論が国会で始まるのは三月の法案提出後になるだろう。実際に議論が始まっても、衆院解散含みの展開では実のある議論ができるのか疑わしい。それでいいのだろうか。

 年金、医療、介護などの社会保障を、将来にわたって持続可能な制度とするにはどうすればいいのか、制度設計の根幹である給付と負担の関係をどうするのか。一千兆円もの国の借金を放置していいはずもない。決めるのが遅れるほど、不利益を被るのは国民だ。

 野党が政府・民主党の増税路線の片棒を担ぐ必要はないが、これら長期的な課題には、与野党が協力して取り組まねばならない。

 もの知りクイズのような質疑、些細(ささい)なことでの揚げ足取り、表面的で深まらない議論、先送りで決められない政治。そんなことに明け暮れている場合だろうか。

 この際、与野党が立場を超えて制度の在り方を話し合い、責任を持って決める「社会保障制度に関する与野党協議会」を、国会に置くことを真剣に考えてはどうか。

 政府の一体改革大綱や民主党の最低保障年金試算を、議論のたたき台とするのはよいが、固執すべきではない。自民党など野党側も自前の社会保障改革案や財政再建策を示せば議論は深まるだろう。

 政権交代が起き得る時代だ。与党側は下野も想定して相手の意見を最大限取り入れ、野党側も政権に就いたときを考えて自分たちの言い分だけを押し通すことは避けるべきだ。

 大綱には衆院議員定数八十削減や国家公務員給与削減法案の早期成立が盛り込まれた。これらは本来、消費税とは無関係のはずだ。

 政治や行政がさらに身を削る必要があるのは、増税の免罪符とするためではなく、無駄が残る国の仕組みを次世代にツケ回ししないためである。

 

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