HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 19 Feb 2012 22:21:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:内定率改善 氷河期への対応怠るな:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

内定率改善 氷河期への対応怠るな

 今春卒業予定の大学生の就職内定率が回復し、最終的な就職率は過去最低だった昨年を上回る見通しとなった。採用の厳しさはまだ続く。政府も大学も「氷河期」への対応を怠ってはならない。

 今春卒業する大学生たちの“春闘”は最後の追い込みに入った。文部科学、厚生労働両省の調査では昨年十二月一日の内定率は71・9%と前年同期比で3・1ポイント上昇した。約四十一万六千人の就職希望者のうち、未定者が約十一万七千人いる。

 厚労省は全国五十七カ所の新卒応援ハローワークを通じて支援を強化してきた。その結果、四月一日時点で集計する就職率は昨年春の91・0%を上回る「93〜94%程度となる見通し」になった。

 また高校生の就職内定率は昨年十二月末現在で80・4%。こちらも前年同期を2・5ポイント上回った。今年三月末集計の就職率は、昨年の93・2%を上回り二年連続の上昇となることを予想している。

 改善理由は、円高などによる企業の海外展開と競争力強化に必要な人材確保のほか、今年から六十五歳に達する団塊世代(一九四七〜四九年生まれ)の大量退職への対処が指摘されている。

 ただ、企業側の厳選採用はますます強まる可能性が高い。

 リクルートの調査では二〇一三年春卒業予定の大学生・大学院生採用は、従業員規模千人以上の大企業は「増える」が13・3%だが、「変わらない」が54・7%、「わからない」が25・0%ある。

 千人未満では「増える」は9・1%に減り、「変わらない」は47・7%、「わからない」25・2%、「以前も今後も採用しない」が11・1%と厳しくなる。

 ハローワークで就職相談に応じるジョブサポーターは学生たちに「大企業にこだわらず中堅・中小企業での正社員就職」を勧めている。だが現実は、どこの企業でも狭き門となっている。

 一方、企業は即戦力重視の採用に意欲的だ。三井物産は新卒者と転職希望者との合同説明会を開いた。富士通は一三年春採用から文系学生を対象に営業や法務など職種別採用制を導入する。大手の中には留学生や外国人採用を拡大するところも出てきた。

 政府は一二年度から私立大学を中心にジョブサポーターを常駐させ、在学中から就職活動に取り組む支援策を実施する。大学も情報収集から実践的対策など就職促進の態勢を強め、一人でも多くの正規就職を実現してもらいたい。

 

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