HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sun, 19 Feb 2012 21:21:17 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞: 太平洋戦争の激戦地だった硫黄島で、戦死した学徒兵の手紙な…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 太平洋戦争の激戦地だった硫黄島で、戦死した学徒兵の手紙など百八通が元米兵から遺族に返還され、めいに当たる女性が日米の高校で、戦争と平和を考える授業をしているという記事を読んだ▼厚生労働省の職員が常駐し、遺骨収容を強化しているというニュースもあった。日本の将兵ら約二万二千人が戦死し、灼熱(しゃくねつ)の洞窟には一万以上の遺骨が今も残る▼<精根を/込め戦ひし/人未(いま)だ/地下に眠りて/島は悲しき>。歌を詠んだのは、かつて硫黄島を訪問した天皇陛下である。太平洋戦争で亡くなった人の慰霊や災害の被災地の訪問は、天皇、皇后両陛下にとって、最も心を砕かれている公務である▼東日本大震災が発生した昨年三月十一日以降は七週連続で避難所や被災地を見舞うなど、激務の日々だった。七十八歳にかかる心身の負担は、外からは想像できないほど重かったのだと思う▼陛下はきのう、心臓の冠動脈バイパス手術を受けられ、無事に終了した。皇居・坂下門に設けられた記帳所には、お見舞いの人々の列が途絶えることがなかった▼回復が順調であれば、二週間程度で退院できる見通しだ。東日本大震災の直後、異例のビデオメッセージでお気持ちを伝えた陛下は、三月十一日に開かれる政府主催の追悼式への出席を強く望んでいるという。お元気な姿は、多くの被災者を勇気づけることだろう。

 

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