HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50918 Content-Type: text/html ETag: "664bf-1745-4b92b22d98c57" Expires: Sat, 18 Feb 2012 00:21:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 18 Feb 2012 00:21:14 GMT Connection: close 小沢氏公判 捜査に反省迫る「調書不採用」 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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小沢氏公判 捜査に反省迫る「調書不採用」(2月18日付・読売社説)

 特捜事件の捜査手法に対する裁判所の厳しい批判を、検察は深刻に受け止めねばならない。

 政治資金規正法違反で強制起訴された民主党の小沢一郎元代表の裁判で、東京地裁は、石川知裕衆院議員ら元秘書が捜査段階で小沢氏の関与を認めた供述調書の大半を証拠採用しない決定をした。

 地裁は「東京地検特捜部の検事による強力な圧力や利益誘導があり、供述調書には任意性が認められない」と結論づけた。

 小沢氏が問われているのは、自らの資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、元秘書らと共謀して、政治資金収支報告書に虚偽の記入を重ねたかどうかだ。

 「小沢氏に報告し、了承を得た」という元秘書らの供述調書は、共謀を裏付ける上で最大の根拠だった。それが証拠から排除されたことは、有罪立証を目指す検察官役の指定弁護士にとって、痛手となるのは間違いない。

 地裁は決定で、取り調べの違法性や不当性を指摘した。

 例えば、「小沢氏が起訴されることはない」とほのめかして、調書作成に応じるよう誘導する。逆に「捜査が拡大する」と脅して供述を迫る、といったものだ。

 石川議員とその秘書が、陸山会事件とは関係のない事実に関して厳しい取り調べを受けていた点にも触れ、「特捜部が組織的に圧力をかけていた疑いがある」とまで言及した。

 特捜部の見立てに沿った供述を強いる取り調べの弊害は、元厚生労働省局長が無罪となった大阪の郵便不正事件でも明らかになっている。検察は捜査の適正化を改めて現場に徹底すべきだ。

 小沢氏公判では、石川議員を取り調べた検事が、実際にはなかったやりとりを捜査報告書に記載していた事実も発覚した。

 この捜査報告書は検察審査会に提出され、小沢氏の強制起訴につながる議決を行う際の判断根拠の一つとなっていた。検察は報告書作成の経緯を明らかにする必要があるだろう。

 判決は4月の予定だが、小沢氏が資金疑惑について説明責任を果たしたとは到底言えない。

 裁判の中では、政治資金収支報告書を「一度も見たことがない」と言い切るなど、政治資金の公開制度を軽視するかのような発言が目立った。国会の場での説明も避け続けてきた。

 こうした姿勢が政治不信を招いていることを、小沢氏は忘れてはなるまい。

2012年2月18日01時06分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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