HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50971 Content-Type: text/html ETag: "a3348-177f-4b90333297551" Expires: Wed, 15 Feb 2012 22:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 15 Feb 2012 22:21:45 GMT Connection: close 習近平訪米 中国次期指導者についた注文 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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習近平訪米 中国次期指導者についた注文(2月16日付・読売社説)

 世界第2位の経済大国に見合う責任を国際社会で果たしてもらいたい。中国の次世代リーダーに米国が厳しく注文をつけたといえよう。

 中国の習近平国家副主席が訪米し、オバマ大統領と会談した。習氏の訪米は、2008年の副主席就任以来初めてだ。

 習氏は今秋の中国共産党大会で、胡錦濤国家主席から総書記ポストを引き継ぐ予定だ。2期10年、政権を担うことになる。今回の訪米には、次期最高指導者の権威確立を内外に示す目的がある。

 米側は、大統領、バイデン副大統領のほか、クリントン国務長官やパネッタ国防長官らが相次いで習氏と会談し、国家元首級の厚遇ぶりを見せた。中国のかじをとる次期最高指導者に、米国の考えを直接伝える狙いがあろう。

 大統領は習氏に、米中関係の強化が「死活的に重要だ」と語り、「力と繁栄の拡大には責任の増大が伴う」と述べた。国際的な経済規範の順守や貿易不均衡の是正、人権状況の改善を引き続き求める姿勢を強調した意味は大きい。

 人民元レート問題、チベット族住民への人権抑圧など、米中間には深刻な懸案がある。大統領が、中国の次期政権にも働きかける意向を明確にしたのは当然だ。

 習氏は大統領に、両国が対等な立場で互恵関係を発展させていく必要性を訴えた。台湾問題では、米中関係の「最も核心的で最も敏感な問題」として、武器売却などで干渉しないよう求めた。

 大統領は、中国の「平和的な台頭」を歓迎するとも語った。軍事的膨張を背景に南シナ海などで海洋権益拡大を図る中国へ、強硬路線の見直しを迫ったものだ。

 「富国強兵」の道を突き進む中国と、アジア重視を打ち出し、中国をにらんだ国防戦略を実施に移す米国が、アジア太平洋地域で対立することは避けられまい。

 元副首相を父に持つ習氏は党高級幹部の子女グループ「太子党」に属し、軍との関係も深いとされる。それだけに、習氏の判断には、軍の対外強硬姿勢が反映されやすいとの見方もある。

 米中関係の安定は、日本を含むアジア太平洋地域、世界の平和と安全には欠かせない。

 核開発懸念が深まる北朝鮮やイランへの対応、国連安全保障理事会が機能不全を露呈したシリア情勢への今後の対処など、国際社会の懸案も山積している。

 米中両国には、対話を重ね、信頼醸成を図りながら、懸案解決へ粘り強く取り組む責任がある。

2012年2月16日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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