
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51670 Content-Type: text/html ETag: "ad6f1-177f-4b8eeebf1f58f" Expires: Tue, 14 Feb 2012 21:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 14 Feb 2012 21:21:10 GMT Connection: close
![]() 裁判員裁判 尊重しつつ精査求めた最高裁(2月15日付・読売社説)裁判員制度を推進する最高裁の立場を明確にした判決と言えよう。 1審の裁判員裁判で無罪、控訴審で逆転有罪となった覚醒剤密輸事件の上告審で、最高裁は被告の男性を再び無罪とする判決を言い渡した。男性の無罪が確定する。 判決は、控訴審が1審判決を破棄できる条件を示した。「経験則などに照らして不合理であることを具体的に示す」というものだ。裁判員制度が導入された現在において、控訴審にはその姿勢がより強く求められるとも指摘した。 裁判員と裁判官が導き出した結論を、裁判官だけの控訴審が軽々に覆しては、市民の良識を判決に反映させる制度の意義が損なわれかねない。そんな最高裁の懸念がにじむ判決である。 被告は、チョコレート缶に覚醒剤約1キロを隠してマレーシアから密輸したとして起訴された。 千葉地裁の裁判員裁判は、「土産として預かった」「覚醒剤が隠されているとは知らなかった」といった被告の言い分を「不自然であるとは言い切れない」と判断し、無罪とした。 東京高裁は、二転三転した被告の供述について、「その都度、うその話を作った」と指摘、覚醒剤が入っていると知りながら持ち込んだとして、懲役10年、罰金600万円を言い渡した。 しかし、最高裁は、1審判決のような見方も可能だと判断した。これを全面否定した東京高裁判決については、「1審判決が不合理であることを十分に示したものとはいえない」と批判した。 1審判決を見直す合理的な要件を示していないというわけだ。 市民の判断を尊重すべきだという最高裁の意向の表れだろう。 今回の判決により、高裁は1審判決の破棄に慎重にならざるを得なくなると見ることもできる。 ただ、控訴審の役割も忘れてはならない。1審判決を精査し、問題があれば正す。高裁が裁判員裁判の結論を過度に尊重するあまり、チェック機能がおろそかになってはならない。 3審制の下、高裁、最高裁が十分にチェック機能を果たすことが、誤判の防止にもつながる。 今回の裁判が特異な経緯をたどった要因は、検察の不十分な立証にある。覚醒剤の存在を知っていたという「認識」を裏付ける証拠を得にくい事情があったにせよ、「証拠が少なすぎた」という裁判員の感想は検察の反省材料だ。 綿密かつ分かりやすい立証が検察に求められている。 (2012年2月15日01時16分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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