HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51640 Content-Type: text/html ETag: "cf891-1771-4b8b27ee33346" Expires: Sun, 12 Feb 2012 21:21:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 12 Feb 2012 21:21:14 GMT Connection: close ギリシャ緊縮策 危機封じ込めに必要な実行力 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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ギリシャ緊縮策 危機封じ込めに必要な実行力(2月12日付・読売社説)

 欧州危機の封じ込めに向け、痛みを伴う緊縮財政策に取り組めるか。震源地であるギリシャの実行力が問われよう。

 ギリシャ政府と与党は欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から求められていた緊縮策で合意した。公共投資の大幅削減、最低賃金の引き下げ、公務員1万5000人削減などが柱となっている。

 放漫財政で深刻な危機に陥ったギリシャに対し、EUなどが2010年に第1次支援策を決め、資金繰りを支えてきたが、効果は限定的だった。

 1300億ユーロ(約13兆円)に上る第2次支援策が実施されるには、ギリシャが財政再建を目指し、緊縮策を実施する必要がある。

 ギリシャは3月20日に巨額の国債償還を予定している。2次支援策が得られないと、国債償還ができず、無秩序な債務不履行(デフォルト)に陥りかねない。

 ギリシャの対応次第で、追加支援が実施され、デフォルトを回避できる公算が大きくなってきたことはひとまず歓迎したい。

 ただ、問題は、ギリシャが緊縮策の関連法案の成立を果たせるかどうかだ。

 ユーロ圏財務相会合は支援決定をいったん先送りし、その結果を見て、15日に支援を決める。財務相会合が「条件付き」の方針を表明したのは、なお不信感を拭えないからだろう。

 ギリシャは何度も緊縮策を打ち出しながら、十分に実施してこなかった。それが欧州などの金融市場を動揺させ、イタリアなどにも信用不安が飛び火した。

 ギリシャは早期に関連法案を可決し、突き付けられた条件をクリアすることが求められる。

 ギリシャの債務削減に関し、政府と金融機関との交渉が実質合意したことも追い風になる。

 しかし、懸念されるのは、ギリシャ国内にくすぶる緊縮策への根強い反発だ。労組は抗議のゼネストを実施した。4月にも実施される総選挙を前に、反発が激しさを増せば、不透明感が強まる。

 これ以上の混乱を回避し、ギリシャが着実に財政再建を実施できるよう、EUとIMFは監視を強化すべきだろう。

 緊縮策に伴って、ギリシャの景気悪化が長期化する見通しだ。中長期的な財政再建に向け、成長力の回復も重要な課題である。

 ギリシャ危機を収束させることは、欧州危機封じ込めと市場の安定に欠かせない。独仏両国などは連携を強化して対処すべきだ。

2012年2月12日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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