HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 12 Feb 2012 00:22:18 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:馬が出てくるお芝居で、馬の脚を演じている役者が姿を見せてし…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 馬が出てくるお芝居で、馬の脚を演じている役者が姿を見せてしまっては、舞台が台無しだ▼この<馬脚を現す>に似た言葉は西洋にもあり、偶然、<粘土の足>という。こちらは旧約聖書の中の話から出た成句で、立派だと思われていた人が見せた、がっかりするような弱点を言うらしい▼さて、経産省の原子力安全・保安院が、関電が行った大飯原発(福井県)3、4号機のストレステストの一次評価について、「妥当」と結論したのだそうだ。次はそれを原子力安全委がチェックする▼だが、そもそも保安院の「妥当」を何かの保証のようにとる人はもういまい。本来は原発を規制する側が推進の旗を振るようなことをしていたのは、電力会社への「やらせメール」要請の件などで明らか。既に国民は、いわば保安院の<粘土の足>を見ている▼特に反省も感じられない。異論を封殺したり押し切ったりしてきたのが、原子力行政の陥穽(かんせい)だったはずだが、今回の「妥当」の判断に際しても、専門家会合では異論があったのに、強引に押し切ったようだ▼原子力安全委も「妥当」と結論すれば、首相が再稼働を政治判断する手はずらしいが、“正体”のばれた「妥当」を根拠に、国民をどう納得させるつもりなのだろう。人間が姿を見せてしまった後、観客に、それでも「馬」だと思え、というのは土台、無理な話である。

 

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