HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51420 Content-Type: text/html ETag: "a77e6-179b-4b89e82ce26a3" Expires: Sat, 11 Feb 2012 01:21:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 11 Feb 2012 01:21:14 GMT Connection: close 復興庁発足 「屋上屋」を排し事業の加速を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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復興庁発足 「屋上屋」を排し事業の加速を(2月11日付・読売社説)

 東日本大震災の発生から11か月。批判され続けてきた復旧・復興の遅れを取り戻す契機としなければなるまい。

 復興庁が発足した。平野復興相の下、副大臣2人が増員された。盛岡、仙台、福島各市に復興局を置くほか、沿岸部の被災地6か所に支所を設置した。

 復興庁は、復興政策の統括と企画立案や、復興特別区域の認定、復興交付金の配分などを行う。復興事業自体は、国土交通など各府省がそれぞれ実施する。

 重要なのは、被災自治体との連携だ。復興庁の常勤職員250人のうち160人は東京勤務で、地方勤務は90人しかいない。地方の体制をもっと拡充すべきだ。

 市町村からの相談・要望を待つだけでなく、復興庁側が「ご用聞き」に回る姿勢が肝要である。

 平野復興相は、相談を1か所で受ける「ワンストップ対応」を強調する。だが、首長側には「余計なワンステップ(1段階)にならないか」との懸念がある。

 復興庁に相談しても問題が解決せず、各府省に足を運ばざるを得なくなるようでは、復興庁は「屋上屋」との批判を免れない。

 霞が関では、各府省の許認可権をめぐる縄張り争いや、除染に関する責任の押し付け合いなど、昔ながらの「縦割り」行政の弊害が再び目立ち始めている。

 復興庁は、他省に勧告したり、復興関連予算を一括要求したりする権限を持つ。これを有効利用して、「縦割り」を打破し、司令塔の役割を果たしてもらいたい。

 9日には、復興特区の第1弾として、宮城県の「民間投資促進特区」と岩手県の「保健・医療・福祉特区」が認定された。申請から10日前後の「スピード認定」を各自治体は歓迎している。

 事務作業の遅れで復興を停滞させてはならない。復興庁は、各自治体との意思疎通を密にし、迅速な特区認定を行う必要がある。

 特区制度が最大限活用されるためには、制度の運用に知恵を絞るとともに、自治体と民間企業の連携を後押しすることも大切だ。

 総額1兆8000億円の復興交付金の配分では、事業を精査しつつ、自治体の使い勝手と迅速さを重視することが求められる。

 原子力発電所事故が起きた福島県について、政府は、国が自治体の社会資本復旧事業を代行するなどの福島復興再生特別措置法案を閣議決定した。

 国がより前面に出て、手厚い支援を行うのは当然だ。与野党は法案の早期成立を図ってほしい。

2012年2月11日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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