HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49962 Content-Type: text/html ETag: "f52bf-1385-4b88a56b6e211" Expires: Fri, 10 Feb 2012 03:21:17 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 10 Feb 2012 03:21:17 GMT Connection: close 2月10日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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2月10日付 編集手帳

 漢字は指が覚えていて、すらすら書ける人が世間にはいる。うらやましいと思う。物覚えの悪い指を持つ身は、書き取りで苦労してきた。たとえば「聴」の字は「耳に十四の心あり」、いまでも内心つぶやきながら書いている◆漢和辞典によれば「聴」の(つくり)は「まっすぐ」を意味し、〈聴く〉とはまっすぐに耳を傾けることだという。よって「十四の心」には何の根拠もないが、こちらがぴったりくる場合もある◆きょう、復興庁が発足する。初代復興相に就任する平野達男氏が「地元の良き相談相手、ご用聞きになる」と述べたように、被災地が何を欲しているか、声を〈聴く〉のが第一の仕事になる◆迅速かつ確実に要望を実現していくうえで、心配の種は「縦割り」の壁である。国家公安委員会も含めて1府12省庁、そこに復興庁を加えた計14の行政組織が「十四の心」を一つに(そろ)える。それができて初めて復興の司令塔は機能する。聞きっぱなしでは“ご用聞き”落第だろう◆この期に及んで、お役所同士の縄張り争いに憂き身をやつし、「聴」の字と似て非なる「恥」をさらすことはしない、と信じている。

2012年2月10日01時16分  読売新聞)

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