HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50238 Content-Type: text/html ETag: "f2043-12f9-4b86ca3172207" Expires: Thu, 09 Feb 2012 02:22:23 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 09 Feb 2012 02:22:23 GMT Connection: close 2月8日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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2月8日付 よみうり寸評

 〈コンニャク屋漂流記〉――今回の読売文学賞で「随筆・紀行賞」を受賞した星野博美さんの作品だ◆星野さんは東京・五反田の町工場の生まれだが、もともとは千葉・外房の漁師の家系。その漁村でコンニャク屋という変わった屋号を持った星野家のルーツを辿(たど)った探訪記が受賞作となった◆「人には必ず祖先がいる。それを辿ることは誰にでもできるはずだが、これがなかなか難しい。この本は先祖探しがおそろしくうまくいった例で、星野博美にとって過去は宝の山だった」と選考委員の池澤夏樹氏◆外房から東京へ出てきた祖父が残した記録を入り口に紀州から移住した史実も知り、5代前まで遡ることができた。陽気でにぎやかな親戚を語る文体も軽快だ◆さて、私事ながら筆者の弟も、星野さんには及びもないが、わが家の歴史を辿っている。父や祖父、伯母の残した書き物を整理し、系図を作るなどしているが、この作業なかなか難しいようだ◆そんな身近なことも手伝って、この漂流記を興味深く読んだ。

2012年2月8日13時50分  読売新聞)

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